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さようなら、六九さん ごめんなさい。私はあなたを救えない。 私は、あなたが消え失せようとも構わないと思った。 それが、愛するあの人を護るただ一つの道だったから。 あなたは私の友達、静穂と瑠璃奈の危機を救ってくれた恩人なのに。 たとえ任務の一環だったとしても、恩人であることに代わりはないのに。 私は、《未来視》の力によってマッチングに介入し、最適な展開を紡いだ。 平和な未来のために? ……それもないわけじゃない。 でも、一番の理由は、私自身の想いのため。愛する人を護るため。 私は、あなたに、最後の戦いの場すら与えず、惨めに消えてもらうことを選んだ。 さようなら、六九さん。 あなたは、私の友達を救ってくれた恩人です。 感謝しています……でも、さようなら。 ――《未来支配者》パルプは、己の手の平を見つめた。 最終ターン、二人の選手を打ち倒し、六九から任務達成の機会を奪って滅ぼした。 酷く汚れてしまったこの手は、あの人と繋ぐのに相応しくないとパルプは思った。 (だから、今は見逃してあげる) 賞品の少年と手を取り合って去っていく優勝者の後ろ姿を、パルプは黙って見送った。 胸のチクチクする痛みにこらえ、襲い掛かって略奪したい気持ちを抑えつけながら。 (でも、いずれ奪いにゆきます。マジカニアの未来と、私のために) かくして、魔技姫ラクティ☆パルプの世界格闘大会は終わりを迎えた。 パルプは何度も傷つき、倒れ、絶望も味わった。 しかし、それを乗り越え、大きく成長し、そしてなにより大切な想いを手に入れた。 これからも、少年を巡るパルプの戦いは続くだろう。 だが、ひとまずは、お疲れ様でした。
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唯はもちろんそれに手をつける様子も無く、俯き、時が過ぎるのを 待っていた。 ドラキュラジュースを一口飲むと、さわ子が思い出したかのように言う。 さわ子「あっ!そうだ・・唯ちゃんにプレゼントあるんだったっ!」 さわ子はそういうと嬉しそうに手持ちのバッグを物色し始めた。 唯はどうせくだらないコスプレの衣装や何かの耳だろう と思い、くだらないと思いながらさわ子を見下していた。 すると予想に反してさわ子がかばんからだしたのは、 長方形で少し厚みのある電子辞書のような機械だった。 唯「?・・・・先生、何ですか? それ?」 さわ子「これ? DVDプレーヤーだけど? そして本題は・・・・これですっ!」 さわ子はそう言うと、DVDのディスクを追ってかばんの 中から出し、唯の目の前に見せ付けるようにかざした。 唯 ・・・・! 唯は驚いた。 さわ子の手に握られていたDVDのタイトルは明らかに 今の自分をまた一歩崩壊に追い込むものだった。 そこに書かれていたのは『軽音部卒業記念』という文字だった。 確かに今思えば卒業前になってから、さわ子はやたらにデジカメを 持って活動中の部室をうろついていた。 驚く唯に明らかに勘違いしたさわ子が言う。 さわ子「唯ちゃん、そんなに驚いちゃって! そんなに嬉しいの~? ほら、今日でみんなが卒業してちょうど1000日じゃない! だから今日はちょうどコレをみんなに届けようとしてた ところだったの♪」ニコッ さわ子「でも先に運よく唯ちゃんに会えたから、試しに先に ちょっと見てもらおーかなぁ~って!」 さわ子は唯への勘違いにまるで気づくことも無く、 早速DVDプレーヤーでDVDの再生に取り掛かる。 唯 ! 唯はその様子を見た途端、それまでおとなしかった唯の 手が無意識のうちにさわ子の作業を止めていた。 唯「・・・・やめてっ!」 これ以上そんなもの見せられたら、また自分の復讐に 迷いが出てしまう。 もう戻れないのに・・・。 そんな思いで唯が自分の手を止めたことなどまるで 知らないさわ子は、またも勘違いをする。 さわ子「もう、唯ちゃんったら恥ずかしがっちゃて・・・、 そんなに恥ずかしいものは映ってなかったから~!」 そういうとさわ子は、逃げ出そうとする唯の肩を強引に 自分のものと組ませて、逃げられないようにした。 唯は必死に抵抗したが、逃げることはできず、 さわ子は残酷にもDVDを再生する。 ピッ そこに映し出されていたのはかつての軽音部の姿だった。 何やらみんなでお菓子を囲んでいるところだった。 紬「唯ちゃん、紅茶のおかわりいる?」 唯「ありがとうぅ! さすがムギちゃん気が利くねぇ」 律「全く、唯は家でもきっと憂ちゃんにまかせっきりなんだろうなぁ」ニヤリ 唯「わ、わ私、家では家事するもん!」アセアセ 澪「へぇ~、どんなことするんだ?」 唯「例えば・・・料理しようとしたりとか・・・・、片付けよう としたりとか、・・・・あとこの前は洗濯しようとしたんだよっ!」 澪 ガクッ! 梓「先輩そろそろ卒業ライブですから練習しましょうよ!」 ・・・・・ 唯は初めは抵抗していたが、途中からうっかり見入ってしまった。 なんだかんだ言ったって、コレが私の望む日常なんだ・・・。 そんなことを思うと唯の顔からは思わず久しぶりに笑顔がほころぶ。 でも果たして、自分が復讐を続けることでこの日常は 戻ってくるのだろうか、・・・・ 確かに復讐を終えて、自分の周りから人を消してしまえば、 自分はずっとこの既にあるこの思い出に浸り続けられる。 だが、果たしてそれは自分が望んでいるものは何なのだろうか・・・ ただ、今から逃げているのではないだろうか・・・・ 唯がそんなことを考えてると、映像の場面が変わる。 次の映像ではみんながそれぞれの楽器を持って立っているところだった。 さわ子「これはずっととっておくことになるんだからちゃんと演奏 しなさいよ!」 律「今卒業ライブに向けてて忙しいんだよぉ~」 さわ子「リハーサルだと思ってやればいいじゃない! それとも何? 私の衣装着て演奏したいってこと?」ギラリ 澪「み、み・・みんなやるぞ~!」アセアセ 律「・・・・じゃあ、いくぞぉ~。 1、2!」 ♪ ジャラララ、ジャッ、ドカドカドカ!~ 自分を含むみんなが真剣な姿で演奏する姿を唯は見ていた。 大学に入ってからはろくに楽器同士であわせることが無かった。 合わせたとしてもそれは唯にとって全く楽しいものではなかった。 映像の中での唯は笑いながら、楽しそうに演奏をする。 ・・・・・・ 自分は本当にやりたいことは 復讐 なのだろうか。 自分のやりたいことは今まさに目の前で展開されているこれでは ないのだろうか・・・。 結局これまでの気持ちは結局、いや、いつだってここへ 向かっていたの 確信を持ちかける唯を目の前に、映像はまた移り変わる。 次は自分を除くHTTのメンバーが画面の脇から恥ずかしそうに出てくる。 さわ子「さぁ、じゃあ未来の唯ちゃんに向かって一言ずつ・・どうぞ!」 梓「それは、ちょっと恥ずかしいですよ・・・」 さわ子「じゃあ・・・・・ムギちゃんから!」 紬「・・・え!? あたし!? うーんと・・・・またお菓子食べましょう!」 ムギちゃん・・・ 律「ムギは相変わらずだなぁ~」 律「え~と、次私か! ・・・・・う~ん、唯! ずっと大好きだぜっ!」グッ りっちゃん・・・ 梓「ちょっと臭すぎませんか・・・?」 律「いいのっ! 次ゴk,・・梓だぜ!」 梓「えっと・・・・唯先輩のことはずっとなんやかんやでも 尊敬しています。 いつまでも素敵な先輩でいてください。」 あずにゃん・・・・ 律「おぉ~流石梓ぁ~! そしてそして、最後は澪! みんな期待しようぜぇっ!」 澪「ハードルをあげるな! ・・・えっと、唯! 今は勿論唯のことみんな大好きだけど、 この先、どんなことがあっても、私たちみんな唯のこと 信じてるから・・・忘れないでくれ・・」 澪ちゃん・・・ ドカッ! 不意に唯は誰かから頭を殴られたかのような衝撃を受けた。 唯はカウンターに思わず伏せてしまう。 やめて! 自分のやりたいことは復讐なの! それをすることでしか自分を満たせないの! 違う 自分のやりたいことはHTTのメンバーともう一度演奏すること、 そしてもう一度あの日常の続きを描くこと。 自分は復讐やいじめという言い訳をして、 ずっと過去に浸り続ける言い訳をしていた。 でも自分がしたいのはそんな卑怯なことじゃない。 自分がしたいのは・・・・・ さわ子「唯ちゃん・・・どうかした?」 突然カウンターに伏してしまった唯にさわ子が心配そうに尋ねる。 すると、唯が起き上がった。 その唯の目には今までのくすみはもうなく、光が差していた。 唯は素早く横を向くと、さわ子の手を握ってこう言った。 唯「さわちゃん、ごめん! ちょっと行って来る!」 さわ子「?・・え・・あ・・いってらっしゃい!」 唯は急いで席を立つと、店の外に駆け出した。 店の中では置いていかれたさわ子が一人呆然とする。 さわ子「ん・・・・まぁいいや、唯ちゃん感動してたみたいだし・・ DVD良かったのかな・・・う~ん、私グッジョブ!」グッ 店から出た唯はただがむしゃらに走り出した。 自分がしたいのは・・・・みんなとまた一緒にいること! そして唯は今日が先輩たちによる澪たちへの処刑の 日であることを思い出した。 唯はそれを思うと、大学へ向けて全力で走り出した。 唯があの喫茶店を出て、必死に大学に向かっている頃律たちもまた 唯の大学への歩みを進めていた。 緊張のせいか早足になり、列の先頭を歩く律に澪が尋ねた。 澪「なぁ律、本当に今日は唯が大学に行く日なのか? 休みの日なのに?」 律「いるっ!」 澪「どの筋の情報だよ?」 律「勘っ!」 澪紬梓「・・・・・」 そのあとは暫らく場には緊張感が漂っていた。 これから唯に会うとなるとかつての親友とはいえ、やはり緊張する。 すると梓が不意に心配そうに切り出す。 梓「先輩・・・ でも本当に大丈夫なんでしょうか?」 澪「なぁに、大丈夫さ、唯だってきっと今不安な気持ちだよ。 ・・・・・まぁ、もっともいるかもわからないんだけどな・・・・」ジーッ そう言うと、澪は嫌みったらしく律のほうを見る。 律「な、なんだよ! いるってったらいるんだよ!」 梓「そうですよね、まずいるかもわかぁ・・・・・・・」 場が和みかけたところで、突然梓の話が止まった。 律「・・・? おい梓どうした・・・・・うっ!・」 律は誰かに布のようなもので口を塞がれていた。 周りを見ると、他の三人も同じような状況だった。 律がその犯人をあの日唯と会った日に集団の中にいた 大学生だと気づいたのは、意識を失う寸前だった。 唯が大学の音楽室へと駆け込んだのは、律たちが捕まる 数分前だった。 ガチャ! いつもより勢いよく音楽室のドアを開く唯。 自分の本当にすべきことを見つけた唯に、もう死角はなかった。 体中に自信が溢れて来る。 唯は胸を張って、室内にたむろっていた男Aに寄っていく。 男A「おお、お前遅かったじゃねーかよ! 今からショーがはじま・・・ 唯は相変わらず嫌みったらしく話す男Aを遮ってこう言った。 唯「あのっ! 今日はやめさせてくださいって言いに来たんです! もう私に関わるのもそして澪ちゃんたちに関わるのも・・・」アセアセ いくら自信に満ちているとはいえ、長年自分をいじめ、苦しめ続けてきた 男Aの前でこうもはっきりと意見を述べるのは、やはり緊張する。 しどろもどろ言葉を選びながら、話す唯に男が少し口調をきつくして言う。 男A「・・おい、お前いつからそんなに・・・・、そういえばお前、この前 昔の親友に硫酸ぶっ掛けて遊んでたらしいじゃねぇかよ・・ あそこの奴らに聞いたぜ。」 すると男は左手の親指で何人かの男女がかたまっている辺りを指差す。 そこにいたのは、あの日校舎の見回りをしていた男女たちだった。 唯 ギロリ 唯は何余計なこと言ってるんだ、と言わんばかりに男女を睨み付けた。 男女「ヒッ・・・・・・・」ビクッ! どうやらあの日笑みを浮かべながら硫酸をばらまく唯にそうとう強い ショックをうけたのか、男女は震え上がった。 復讐がこんなところで成果を発揮してると思うと、 少しは復讐もやっておいてよかったかなと唯は思う。 男A「それでよく、あの連中を守ろうとか・・・・」 ここで男はまた善からぬ思案をめぐらせる。 男A(ここでこいつがなんで開き直ったのかはわからねぇが、 まぁきっと、裏であいつらと仲を取り直すきっかけでも見つけたんだろう・・ でもこのままショーが始まってしまっては、何も面白くねぇからな・・・・そうだ!) 男は先程途中まで話したことを急遽回収すると、別の話を始める。 男A「それでよぉ・・・・。 あの女・・・律って言ったか? そいつが起きた時、あそこにいる見回りの奴らに言ってたんだってよ。 『もう唯なんて、大嫌い、二度と顔も見たくないって・・・・・』ってな・・。」 もちろんそれが真っ赤な嘘だと知っているのはこの場には男Aとあの男女しかいない。 男Aは何気なく男女にアイコンタクトを送ると、男女は悪乗りするかのように頷いた。 唯はあのとき、割とすぐ気が戻ったらしく、 おびえる男女を横目に一番最初に音楽準備室を去っていた。 もちろん、男女が音楽準備室を出たのが、律が目覚めるずいぶん前だということを唯は知らない。 唯「・・・・・・!」 唯は驚きを隠せずにいた。 せっかく自分が素直になって、もう一度・・・と思ったのに、 皮肉にもそれがすれ違うように立場が逆転していたなんて・・・・ 確かに唯は素直になれたのは事実だったが、それは勝手に自分の中で 決めただけであって、現実世界における律たちの立ち居地は変わってはいなかった。 そして唯は、この今の律たちの気持ちというのを 自信に満ち溢れながらも、自分に応えてくれるか少し懸念してたのだった。 再び闇に堕ち始める唯に男は追い討ちをかけるように言った。 男A「せっかくうまくいくと思った仲間にまた裏切られちゃったなぁ・・・・。 ならお前が、おれらに預けているアレはなおさら大事にしなくちゃいけないよなぁ・・・」 男Aは嫌みったらしくそう言うと、唯の頭に手を置く。 この男が言うとおり、現在に裏切られてしまった今、 戻ることのできる過去を象徴するアレは尚更大事にしなくてはいけない。 揺るぐ今よりも、安定していた過去のほうがいい・・・・ 唯の心はまたすっかり悪循環に戻っていた。 すっかり気を落とし、愕然とする唯は、 「これから来る澪たちに最高に冷たく接しろ」 という男の命令に「はい」と答えるしかなかった。 こうして役者をそろえたショーは始まりを迎えようとしていた。 律「ん・・・・ん・・ん」 律はいつかのように魘されながら、意識を取り戻した。 だがそこはいつかの梓の家のように居心地の良い ベッドの上では決してなく、冷たく薄汚いどこかの部屋だった。 後ろは窓になっているようだった。 周りを見てみると、 そこは前にギー太を探しに来たときに一度間違えて入ってしまった音楽室だった。 周りは大勢の大学生の男たちに囲まれていた。 そしてもう一方を見渡すと、澪と梓がいて、意識はあるようだった。 ただ、紬だけは俯いていて律のいる場所からは確認できなかった。 手足は縛られてはいなかったものの、下手に動くと何をされるか わからない状況の中で律は紬の無事を確認しに行く余裕は無かった。 すると、奥から一人の男が出てきた。 律 ・・・・・! その男は唯と会ったときに、中心となって唯に絡んでいた男Aだと律は気づいた。 そんな律の姿も確認しながら、男Aが説明するように言う。 男A「え~今から、俺たちはみなさんをボロボロになるまで、あらゆる術を使って痛みつけます。 でも実はコレ、俺たちの意思じゃなくて、ある人に頼まれて仕方なくやるんです・・・。」 男がそう言うと、周りを囲む男の中から――――唯が現れた。 ! 四人は酷く驚いた顔を見せた。 男はその四人の顔を見て、自分がショーの前に唯を騙しておいて正解だったと思う。 唯はスタスタと歩くと、男Aの隣に並ぶように律たちの前に立った。 男A「みんなも知ってると思うけど、平沢唯ちゃん。 唯ちゃんがどうしてもって言うから、仕方なく引き受けたんだよねぇ・・・」 するとそれまで大人しくしていた梓が叫ぶ。 梓「そんな・・・唯先輩! 信じてたのに」グスン 唯 ・・・・! 唯の心は一瞬揺らぐ。 どうして? 嫌いだったんじゃなかったの? 8
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登録タグ グロ 危険度3 映画 駅 『自殺サークル』というカルト系映画の冒頭のシーン。 何気ない話をしている女子高生が集団で線路に飛び込み電車で轢かれグチャグチャにされて駅にいた人達が悲鳴を上げる。 作り物だがそれでもかなり衝撃的なので閲覧注意 関連項目:冷たい熱帯魚…自殺サークルと監督が同じ 分類:グロ 危険度:3 コメント (´-`).。oO(・・・・・・・・・) 何も言えねぇ -- みつあみ (2011-01-25 17 54 43) R-15指定らしい -- 名無しさん (2011-03-06 11 43 49) せーのっ、せーでっ!せーのっ、せーでっ!(ジャンプ!) -- まり (2011-03-06 12 32 38) つまらないwwwたしかにwww -- 名無しさん (2011-03-06 18 43 56) BGM自重しろおおおおぉぉぉ -- フルウ (2011-04-04 18 02 09) 薄っぺらいグロ糞映画です -- 名無しさん (2011-05-19 21 07 09) マンガはおもしろいけどな -- 名無しさん (2011-05-29 12 41 20) 挿入歌だっけ?それではみなさんさようならは結構いい曲。歌詞がアレだが -- 名無しさん (2011-05-30 23 05 48) ↑↑確かに、漫画面白かったから映画見たらがっかりした -- 名無しさん (2011-05-31 17 51 39) 見た見た、薄っぺらいって表現がピッタリだね。 -- 名無しさん (2011-07-17 20 09 50) 漫画は面白いんですけどね… -- あきの (2011-07-24 20 03 33) 漫画のストーリーと映画のストーリーは別物とも -- 名無し (2011-07-24 20 43 08) それではみなさんさようならは単体で検索してはいけないワードに載るべき -- 名無し (2011-08-23 17 50 10) 塚これに津田健次さんが出とるwwww -- 名無しさん (2011-10-09 20 50 33) それではryは普通に良い曲なんだけどねー。歌詞はともかく。一度聞くと良い -- 名無しさん (2011-10-13 00 11 18) ちょっと待て、高校の頃神作だと思って3回は借りたぞ -- まそ (2011-11-01 00 32 38) 予想外にちょいとグロかった -- もこー (2011-11-06 19 11 31) つまらない面白いの感想はどこぞのレビューででもやれ -- 名無しさん (2011-11-08 13 31 20) これ大分前見たけどすごくつまらなかったな…途中で見るのやめたけど -- 墨汁 (2011-12-06 21 00 14) R-15指定の映画だというのに主題歌を子供に歌わすとかw -- 名無しさん (2012-01-16 18 53 09) 意味不だった -- キング様 (2012-01-22 23 29 15) 迷惑も甚だしいねwwwでも嫌いじゃない -- おなまえ (2012-01-28 00 05 24) 親が持ってた… 海馬社長いたからよしとしよう -- 名無しさん (2012-02-09 16 14 53) だから漫画やアニメの実写化やめい… -- そ (2012-02-25 17 27 07) めっちゃ意味わからんp^wwww -- ありんこ (2012-02-25 19 36 08) とりあえずいみふ -- りかいできないっす (2012-03-14 15 49 08) 既にサムネでつまらん -- 名無しさん (2012-03-16 19 16 31) ニコ動にあったから見てみたけど、糞つまらん。時間のムダだったわ。 -- 名無しさん (2012-03-28 11 03 37) これ古屋氏が漫画描く前からあったから映画化とかではないよ。影響受けて漫画にしたらしいけど。古屋氏にかかれば面白くない映画を面白い漫画にできるんだろうね -- 撫子 (2012-03-30 17 47 52) 古屋自身は映画評価してんのに それで喜ぶとでも思ってんのかね -- 名無しさん (2012-04-14 01 11 32) 主婦が包丁で自分の手切るシーンがトラウマ -- 名無しさん (2012-04-19 17 56 17) トラウマになった -- ソードマスター大和 (2012-04-28 14 04 26) 作中のサイト見たら、株式会社マルジュ出てきたwww -- 名無しさん (2012-05-02 17 10 56) どうでもいいけど、それではみなさんさようならはEDじゃないね -- 名無しさん (2012-05-02 18 54 33) ちなみに画像検索すると、某ドラマの画像があります。何で出てくるんだよぉ(泣) -- マキマキ (2012-07-24 21 27 43) 俺もこんな風になるのかな・・?グスッ でも死んで2次元行けるんなら良いよ -- ろんほ (2012-07-31 17 53 21) 映画は糞つまんなかったわ -- ヅラ (2012-08-02 22 28 11) しくら -- 映画は見てませんが漫画は読みました。古屋先生は凄いですね (2012-08-06 13 28 12) ↑すみません、名前欄とコメント欄逆でしたwww -- しくら (2012-08-06 13 29 07) 血がやべえね これ -- 名無しさん (2012-11-01 23 12 38) EDの「それではみなさんさようなら」ha -- 名無しさん (2012-11-02 10 38 15) EDの「それではみなさんさようなら」はなんか癖になるw -- 平行四辺形@ポケガイ (2012-11-02 10 38 48) さっき見ますた。・・・どういうことなの? -- charlotte (2012-11-12 19 48 22) EDはメロディもろもろ良いけど、血を吐きすぎ。 -- 7743 (2012-12-01 22 03 34) 個人的に漫画は古屋先生の作品の中でライチの次に好きなのだが…。 映画のクォリティは……うん…。 -- 名無しさん (2012-12-05 17 08 01) ホラーはやっぱりシナリオがよくないと…。。この映画も含めて駄作だよね。 -- 名無しさん (2012-12-10 17 21 20) 血ばっかり出すのはそんなに・・・ねぇ・・・笑 -- ゴマ (2013-01-06 13 44 07) 当時劇場で見て損した( ´Д`)y━・~~ -- S W (2013-02-24 22 47 54) 最初だけクライマックスであとは酷かった -- 名無しさん (2013-03-07 13 54 02) 最初からクライマッk…やめておこう。 -- 7743 (2013-03-07 20 04 46) 線路に飛び出すなんて、迷惑行為だ -- 有魔 (2013-04-16 20 04 29) みんなの話見てると見る価値なさそうだな -- 名無しさん (2013-05-01 16 10 10) 園子温も今では(色んな意味で)凄い映画監督になったな -- 名無しさん (2013-06-02 20 05 49) 俺、これ見終わったらご飯食べるんだ...(泣) -- go to hell (2013-06-16 15 41 16) 4年前YOUTUBEで見た結果、○にたくなった・・・ -- ヤマト (2013-07-02 18 10 08) EDの映像が…… -- KK (2013-08-11 10 09 33) ×つまらない〇見てるやつ怖がらせよう感まる出し -- チルノ⑨ (2013-08-11 17 44 22) コワッ! -- T.K (2013-08-17 16 59 10) コワッ!私でも好き✨ -- T.K (2013-08-17 17 00 59) Then everyone goodbye! ってこと? -- who am I? (2013-08-17 22 11 18) マジチキ -- 名無しさん (2013-08-19 15 09 38) よりによって集団かよ!!せめて一人にしろ! -- 破哉吐 (2013-08-20 10 18 31) 線路に飛び込むシーンのBGMが妙に明るい件 -- KK (2013-09-01 20 29 17) 気分悪くなって途中で止めましたけど、しばらくするとまた見たくなりますね -- 餃子 (2013-09-17 20 46 19) つまらなくて途中で見るのやめたんだけど今度はちゃんと見てみようかな… -- 加賀美 (2013-09-22 08 48 47) 友達が見たって言ってたけど… え?その友達の性別?女で小学生だけど?(え?おれ?自分も12で小6だけど?) -- 鯖味噌煮 (2013-09-23 13 36 55) やっぱ小中学ってそういうのを平気で見れるのをステータスにしか思ってないよな 内容なんか見ちゃいない -- 名無しさん (2013-10-08 22 17 27) ジャーンプ! -- 名無しさん (2013-10-11 20 46 04) 血しぶきはんぱねえええええ;; -- にこ (2013-10-12 09 00 08) 展開がつまらん。最初がヤマであとは余韻みたいなそんな感じ -- 名無しさん (2013-10-12 09 39 17) 続編の紀子の食卓を見よう -- 名無しさん (2013-10-18 20 24 59) 削除しました。 いっせーのーでっ -- 果実 (2013-10-30 16 42 30) ブッシャアアアアアア ギャアアアアアアアアア -- 歌のお母さん (2013-11-10 09 32 33) ライチで有名な古屋兎丸さんが漫画描いてたよね? -- まち (2013-11-22 23 56 21) グロイネ -- 名無しさん (2013-11-23 17 46 26) 考えてみれば鉄道自殺ってえらい迷惑だよな -- 名無しさん (2014-01-10 17 14 07) それ見た夜吐きそうになったorz -- asdf (2014-02-01 21 34 53) (/(--;) -- のの (2014-02-01 22 10 15) 迷惑かけすぎ。 -- 名無しさん (2014-04-07 17 00 58) あーつまんね -- 名無し (2014-05-10 23 17 17) 指、、、、、、きんないでーーーーーー!!1!!!! -- あり (2014-05-28 16 58 05) 自殺サークルを見てしまうなら、まずはその続編(?)の「紀子の食卓」を見てからのほうがいいと思います。 -- ユッキー (2014-08-24 23 47 12) ローリー出演で笑った -- たんと・かすたむ (2014-08-30 11 31 20) あぁりぃえぇなぁいぃ -- バカな天使 (2014-10-03 19 18 35) 本当につまらない 見るだけ無駄 -- 噂のあああ (2014-11-14 16 48 50) 「マスターコーヒー」は流石にいやいや病院行けって思った 面白くもないけど深い作品だと思うよ 深い通り越して意味深になっちゃってるけど -- ぴぇぴこ (2015-02-13 19 11 05) 爆笑したwwwサイコー!! -- キツ (2015-05-10 22 55 38) 男も交じってた方がオールスター感あっていいと思う、あと、オチわかってね? -- 名無しさん (2015-06-10 16 49 11) おどなしく聞けぇっ! にワロタwww -- 名無しさん (2015-10-19 20 32 02) BGM愉快すぎィ…!! -- KKK (2015-11-29 11 04 36) つまらないってww -- 名無しさん (2015-11-29 12 08 53) 世界には無理やり命を絶たされる人が星の数ほどいるのにこの映画はいとも簡単に自殺しやがる。不謹慎極まりない -- 名無し (2015-12-19 23 15 42) これで危険度2なの?指切りシーンと犬踏み殺すシーンはかなりキツかったぞ -- 名無しさん (2016-04-24 21 51 54) こないだの手つなぎ自殺の件でこの映画の話する人が多かったからかいつまんでニコで見たけど -- oblivion (2016-05-13 12 16 55) ↑投稿ミス。こないだの女子高生手つなぎ自殺の件で色んな人がこの映画の話してたからニコでかいつまんで見たけど…多感な時期の子が見たら危ないきがした。一応R15だしね。 -- oblivion (2016-05-13 12 20 38) 監督の園子温ってーの -- 名無しさん (2016-07-18 23 55 09) JKリアル鬼ごっこ作った監督やん -- 名無しさん (2016-07-18 23 55 51) これ津田さん出てるのか・・・少しだけ興味出て来た -- 名無しさん (2017-05-11 23 57 13) これ見るなら同じ監督の映画で「冷たい熱帯魚」見た方が良いと思う...まあ気軽に薦めるモンじゃないけど -- 名無しさん (2017-09-23 19 16 48) Netflixで配信されてんだけど…… -- 名無しさん (2018-02-17 21 34 30) 最後らへんの子供達が喋るシーンが電波過ぎる、監督は何を伝えたかったのか -- 名無しさん (2018-02-17 23 49 50) 漫画買ったわ -- 名無しさん (2018-02-20 11 23 32) マンガ最近広告出てるね。 -- 名無しさん (2018-03-03 22 02 24) 個人的には電波雰囲気映画としては結構好きなんだけどねこの作品。つまんないって意見もわかるよ。 -- 名無しさん (2018-03-14 17 24 56) 指切断ヤバイ てか最初のシーンが・・・。 -- 225JRW(7567224569) (2018-05-07 07 53 03) 監督誰だと思ったら案の定、園… -- 名無しさん (2018-08-21 08 37 51) 自殺系…クソ映画…これは見るしかないっすね! -- 澪田吹雪 (2018-10-20 19 55 57) 声優の桃井はるこの曲使われてる? -- 名無しさん (2018-12-12 23 20 58) これ放映されたん!!! -- KENT (2019-04-05 16 12 11) 集団なつみstep -- 名無しさん (2019-06-18 21 57 03) これTwitterで流れてきてマジで胸糞悪かった -- 名無しさん (2019-09-09 18 00 34) ナンテコッタ -- kajikai (2019-09-22 11 09 26) ク ソ 映 画 -- 名無しさん (2019-11-02 23 35 28) 最初の飛び込むシーンゲリラで行ったらしいな -- さゆみ (2020-06-28 23 32 09) タイトルからコロナ感染者数かと思った.. -- 名無しさん (2020-06-29 00 38 41) これ、作った人頭いかれてる、、、、、 -- ハゲな人こ (2020-10-09 14 24 13) 怖い -- 犬 (2020-12-03 15 28 53) 理解不能 -- 名無しさん (2020-12-05 12 33 28) 自殺サークルって検索すれば同じやつが出ます -- 名無しさん (2020-12-18 14 43 34) 色々と闇が深い -- ナイル (2021-06-19 12 45 48) こんなサークルあってたまるか -- ゲーム太郎 (2021-11-08 22 40 22) 園子温この人今問題起こしとるっぽいじゃん -- ロン (2022-04-19 00 50 01) 究極の出オチ映画 -- 名無しさん (2022-06-30 15 21 15) 序盤はすごいがあとは… -- ありす (2022-06-30 15 53 53) 最初だけで鬱なるぞあれ -- 名無し (2022-07-24 12 57 01) ぐっちゃぐちゃやん、、、 -- みり (2022-09-28 12 50 38) 危険度4だろ -- 名無しさん (2022-12-26 09 07 19) 大根と一緒に包丁で手切るシーンも中々えぐい -- 沙弓 (2024-02-27 13 15 54) 名前 コメント
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青春にさようなら ◆EAUCq9p8Q. 夕方だった商店街を抜ければ、外はもう、さっきまでの空色が嘘だったみたいに薄暗く紫がかっていた。 古ぼけた街灯が、ちかりちかりと瞬きながら明かりを灯し始めている。 夜がだんだんと近づいてきている。世界はずんと冷え込み始めて、絵理の体から熱を奪っていく。 絵理はそんな思いのほかやさしくない世界の真ん中の、端っこのほうで、段差に座り込んで時が経つのを待っていた。 理由は言うまでもない。チェーンソー男と決着をつけるためだ。 「ずっと外に?」 声につられて絵理が顔を上げれば、ボンヤリとした街灯に照らされて鉢巻をつけた青年が立っていた。 見覚えはない。どうやらこのあたりに住んでいる人らしい。 「もう月も昇ってしまいましたよ。それにホラ 最近物騒だし」 青年の声と視線につられてつい、と目を動かせば、そこにはいつからあったのか、人型の白線と血の痕があった。 「チェーンソー殺人鬼。 このあたりに出るかもしれませんよ。そのうち来るかも」 「……このあたりにも、出るの?」 「出るなんてもんじゃないよ。もう四人くらい殺されてる」 それはとてもおかしな話だった。 絵理は夕方のごたごたを除けばチェーンソー男の出てくる場所のすべてに到達している。 そんな絵理が初めて訪れたこの地域では、チェーンソー男による被害がすでに四人も。 また少しだけ、チェーンソー男についてのあれこれがあやふやになる。 「それでも変わらないわ。私は、ここで待たなきゃいけないの」 「なんか分からないけど、つらいことがあるなら相談に乗るぜ」 「そういうのはもう間に合ってます」 おせっかいな人間は山本だけで十分だ。 山本も山本でそんなに必要ではないが、彼は言っても勝手についてくるので仕方ない。 鉢巻の男性は、少しだけ絵理と見つめ合うと、何かを理解したのか(それとも理解するのをあきらめたのか)そのまま立ち去ってしまった。 絵理はまた一人になって、街灯に照らされながらぼんやりと考えはじめた。 チェーンソー男について。 そしてこの周辺に出るチェーンソー男(鉢巻の青年の言葉を借りるなら『チェーンソー殺人鬼』か)について。 でも、結局思考はまとまらず、絵理の頭の中を表すように、周囲には青白い霧が立ち込め始めていた。 ―――どるん。 不意に、霧の向こうから音がした。 もううんざりするほど聞きなれた音だ。いつもどおり、変わらぬエンジン音だ。 だが、違和感がある。 確かに夜は訪れているが、時間はまだ六時を回ってしばらくといったところだ。奴が出るには早すぎる。 (とは言っても、今日に限って言えばそうでもないか) 朝からずっと予想外の出現ばかり。その理由は今の絵理には見当もつかない。 絵理の理解を乗り越えて、霧の向こうから一人の男が現れる。 それは見慣れない、というより見たことのない男だった。だが、存外知らない相手というわけでもなかった。 少なくとも絵理にとっては、因縁浅からぬ相手といって間違いなかった。 「……二人目、ね」 それは鉢巻の男性の言葉の通りのチェーンソーを持った殺人鬼。 絵理にとってのチェーンソー男とは、全身真っ黒で、黒いフードで頭をすっぽり覆って顔を隠した存在だ。 だが、目の前の男は。 上半身裸にカーキ色のズボン。顔は子供の落書きのようにも見えるし、変色した頭を合わせればチープなゾンビのようにも見える。 携えているものは絵理の知るそれよりも幾段劣る、簡素なチェーンソー。 だが、そのチェーンソーもいかにも何かありそうな雰囲気を醸し出している。 その立ち姿を見ながら、白坂小梅の言葉を思い出す。 彼女いわく、この場にいるチェーンソー男はいつの日か倒された未来からやってきたチェーンソー男かもしれないとのこと。 ならば絵理にとってのチェーンソー男とは別に、過去か未来かに存在した、どこかの誰かにとってのチェーンソー男がこの場に呼ばれていたとしても、なんらおかしくはない。 絵理がこの場所に来たことはない。つまり、絵理の知るチェーンソー男がこの場に来たこともない。 ということはこれが、白線と血痕を生み出した犯人に違いないだろう。 チェーンソー男とはまるで違うゆったりとした動きでチェーンソー殺人鬼が絵理との距離を詰め始める。 ある意味想定内、ある意味想定外の敵と対面した絵理の方針はとても単純だった。 (二人居るなら、二人倒す―――!!) 小梅と会った時の結論に代わりはない。 低い姿勢のまま腿のガーターリングに仕込んでおいたナイフを三本抜き、構える。上着の下で、かすかに鎖帷子の揺れる音がする。 そしてそのまま、チェーンソー殺人鬼のむき出しの上半身めがけて投擲した。 チェーンソー殺人鬼は一歩も動かない。チェーンソー男よりも頑丈さに自信があるのか、手に持ったチェーンソーで弾こうとも避けようともせずに、ただそのままナイフを受けた。 とすんと三度、軽い音を立ててナイフが肉に突き刺さる。狙い通り、胸の左右に二本と額に一本。 しかし苦痛の声もあげず、血の一滴も流れることがない。突き刺さる前と同じ速度でエンジンの音を従えて絵理の方へと歩みを進め続けている。 いよいよもって、チェーンソー男と同じ『怪人』で間違いなさそうだ。 襲い掛かってくるまでに時間があるのでチェーンソー男よりも戦いやすいだろうが、倒す方法が見えないというのはどうにもやりづらい。 もう二本、ナイフを抜いて構える。 既にチェーンソー殺人鬼との間合いは数メートル、といったところでようやくチェーンソー殺人鬼は動いた。 やおらチェーンソーを振りかぶる。 チェーンソーの射程距離まではまだ遠い。相手が距離を詰めようと動き出せばその動き出しを叩く。 そう絵理が睨んだ瞬間、青白い霧の一点が真紅に染まった。 寒気を覚えて一歩後退る。絵理の目の前を真紅の刃が通り過ぎたのはちょうどその瞬間だった。 「なっ―――!」 その真紅の刃は、チェーンソーが纏う『オーラ』のようなものに見える。まるでありきたりな少年漫画の武器のような感じだ。 それはとある世界で『マ剣』と呼ばれた魔法の刃。絵理が絶対に知らない殺人鬼の秘中の秘。 殺人鬼は、後ろに退いた絵理に向けて、ただの剣からマ剣へと昇華したチェーンソーが襲い掛かる。 不意打ちの一撃にはやや驚いたが、その一撃で把握した射程距離はもう忘れない。 それどころか、この薄暗い夜の青白い霧の中でも煌々と光を放ってその存在を際立たせ、絵理にわかりやすくその存在を象徴し続けている。 自由に伸び縮みでもしない限り、ちょっとやそっとで絵理の目算が狂うことはないだろう。 だが、射程距離がはっきりわかったところで絵理の不利は変わらない。 普通のチェーンソーよりも長い射程に、投げナイフ程度ではびくともしない耐久力。この深い霧もあいまって、攻めあぐねるのは当然だった。 特に耐久力の方は致命的だ。倒す方法がわからないとなると、手の出しようがない。 絵理は抜いたままだったナイフを二本とも投げる。狙いはチェーンソー殺人鬼の、どこを見つめているかわからない両目だ。 流石に目を傷つけられると行動に差支えが出るという知識はあったのか、さしものチェーンソー殺人鬼も今度の二本はマ剣を用いて防御した。 その隙を突いて駆け出す。 逃げるのではない。チェーンソー殺人鬼が追ってくることを想定して、あの恐ろしいほどの耐久力を持ったチェーンソー殺人鬼を倒せるであろう可能性の方へ。 振りぬかれたマ剣の横を抜けて、足音が追ってきていることを確認しながら全力で駆ける。向かう先はすぐに見えてきた。 しらぬい通りを曲がり、石作りの階段を駆け上る。数十段の石段の先には神社があった。だが、神社自体に用はない。 ナイフを急所に刺すでは傷つけることができず、今の絵理はナイフより強い武器は持ち合わせていない。 そこで絵理が目をつけたのは待ち伏せ場所に来るまでに見つけた『数十段続く石段』だった。 石段の最上部から突き落とす。ナイフでダメージを受けないとしても、普通の人間が何回か死ねるだけのダメージを与えればさすがにチェーンソー男同様に消滅してくれるだろう、という見立てだ。 神社を背負ってチェーンソー殺人鬼を待ち受ける。 数十秒か、数分か。 どるるるるる、るるるるるる。石段を踏みしめる靴の音の代わりに、聞きなれた足音が、だんだんと近づいてくる。 姿は青白い霧にさえぎられてまだはっきりとは見えない。 だが、霧の向こうで真紅の刃が揺れている。まるで血に濡れたギロチンのように、右へ、左へ、また右へ。 揺れる光の高さが変わらなくなったのを認めた瞬間、絵理は背後にあった賽銭箱を引っつかみ、光めがけて放り投げた。 年頃の少女が投げたとは思えない物凄い速さで、賽銭箱がチェーンソー殺人鬼めがけて飛んでいく。並みの人間ならばこれに当たっただけでも昏倒してしまうだろう。 瞬間、赤い閃光が走り、逆三角形を描いた。 絵理がそれを斬撃だと認識できたのは、賽銭箱がばらばらに切り開かれて、中に入っていた小銭の山を血反吐のようにぶちまけた後だった。 想定していた以上に素早い反応に、ぎょっと目を剥く。切り裂かれた賽銭箱と霧の向こう側で、チェーンソー殺人鬼はやはり死人のような目で絵理の方を見つめている。 そして、チェーンソー男のように駆けてくる……わけではなく、チェーンソーを担ぎ上げ、ただその場で構えたまま立ち止まった。 ぐわんぐわんと大気がうねっている。チェーンソーを基点に霧が渦巻いている。何かを溜めている。何故かそう理解できた。 何が来るかは分からないが、勝手にさせて絵理に有利になることはない。 衝撃から立ち直り、当初の予定通りチェーンソーの殺人鬼を突き落とそうと駆け出す。 しかし絵理がたどり着くより一手早く、チェーンソー殺人鬼はチェーンソーを右肩に構え、そして、絵理に向けて何かを放った。 ぶわりと広がった風に乗って、絵理の頭にいくつものイメージが押し付けられる。 事故の日に見送った両親と弟の顔。酒臭い運転手。 傷ついてしまった山本。望むはずのないいつかの別れ。死んでしまった名も知らぬ少女。白線に血痕。 絵理の中にどんと居座り続けているおびただしいほどの『絶望』たちが、突如湧き上がって絵理の頭を埋め尽くす。 駆けていた足が恐怖に震え、腰が砕けてしまう。攻めようとしていた気持ちが一気に萎む。 それでも倒さなければならないと無理やり足を動かして攻撃を仕掛けても、へっぴり腰な状態で繰り出す攻撃なんて物の数にも入らない。 渾身の体当たりですら、彼のバランスを崩すには至らない。 どころか、絵理はチェーンソー殺人鬼に完璧に受け止めきられ、腕を振り払う勢いで大きく跳ね飛ばされてしまった 石畳の上を無様に転がり、切り裂かればら撒かれていた賽銭箱の残骸や小銭で体のあちこちが傷つく。 その痛みでも、絶望は晴れない。 頭の中ではぐるぐると、後ろ向きな思い出ばかりが走馬灯のように駆け巡っていた。 それでも負けずに顔を上げた絵理の前にあったのは、そのカーキ色のズボンのしわが見える位置まで近づいて来ていたチェーンソー殺人鬼と、まるで血みたいに真っ赤なマ剣。 更に顔を上げれば、うつろな瞳の殺人鬼が絵理を見下ろしていた。 ゆっくりと、ゆっくりと、真紅のマ剣が振り上げられる。 死が近づいてくる。逃げ場はない。 へっぴり腰の腰砕けのまま見上げた先。 真紅のマ剣の向こうに広がる空に、絵理は不思議なものを見た。 あたり一面を埋め尽くすほどの氷の結晶だ。 ――るる 霧が、凍っている。 空気中を漂っていた霧を構成する水の粒一つ一つが、氷の結晶に変わっている。 それはまるで雪のように、白く、美しく輝いている。 そして、その全てが、空に向かって登っていく。 月に向かって飛んで行く。 舞い上がる。 舞い上がる。 皆、皆。 ――るるるるる 幻想的な光景だった。 目の前でチェーンソーを振り上げている殺人鬼すらも、その幻想的な空気と天上から近づいてくる足音に呑まれていた。 振り上げられた真紅のマ剣の奥。空へと吸い込まれていく雪の行方を追い、見上げれば――― ―――どおるるるるるるるるる!!! 月を背負ったバケモノが、空からまっすぐに降りてくる。 振り上げられていた真紅のマ剣が、もう一本のチェーンソーによって割断される。 絵理が後ろへ飛んだのはほぼ反射だった。そうしなければ死ぬと体が覚えていたから、考えるよりも先に体が動いた結果だった。 飛び退った絵理の目の前を駆動する銀の鉤爪の群れが通り過ぎる。見慣れたチェーンソーだ。 ぎゃんぎゃんばりばり、切り裂く音。黒いコートの切れ端が宙を舞う。 音に釣られるように、チェーンソー男が振り返り、チェーンソー殺人鬼と顔を突き合わせる。 絵理の目からは確認できないが、チェーンソー男の背後で振りぬかれている殺人鬼のチェーンソーから判断するに、男を殺人鬼が斬りつけたということだろう。 つまり、チェーンソー男の標的が切り替わった。立ち上がれずにへたり込んでいる絵理から、絵理との闘争を邪魔する別人へ。 どるるるるるるるるるる。 どぅるるるるるるるるるるる。 駆動するエンジンの音が、重なる。 誰かの絶望が誰かの絶望と顔を突き合わせる。 ☆ まさに化け物同士の戦いだった。 チェーンソーの殺人鬼がたたっ斬られた真紅のマ剣を再びチェーンソーに投影し、やたらめったらに斬りかかる。 しかしチェーンソー男は化け物じみた身体能力でそれをすべて避けきり、逆に懐に潜り込んでチェーンソーで殺人鬼を傷つけていく。マ剣とチェーンソー、射程距離で大きく水を開けられているにもかかわらず、だ。 チェーンソー男が殺人鬼を傷つけるたびに、空間にノイズが生まれていく。 あれはきっと、チェーンソー殺人鬼にとっての『出血』を意味しているのだろう。 マ剣や耐久力で感じていた化け物を敵に回しているという実感の裏づけとともに、もうひとつの実感を得る。 ひょっとすれば、チェーンソー男ならばあの不倒の殺人鬼を正面から倒せるのかもしれない。 無言で斬りあう二人の怪人。声よりも雄弁に、絡み合い弾き合う刃の音が語る。 一進一退、弾きあげては弾き返し、押しては引いての斬り合いだ。 殺人鬼は神社を―――この見慣れぬ町を背負って、侵入者である絵理たちを排除するように。 チェーンソー男は絵理を背に、まるで殺人鬼の凶刃から絵理を守るように。 自身のためにチェーンソー男が戦っている。絵理にはその光景は到底理解のできないものだった。 確かに小梅から、サーヴァントとはマスターとともに戦うものだとは聞いていた。 それでも絵理にとってのチェーンソー男とは倒すべき相手であって、ともに戦う理由なんてない。 そんなことが出来るなら、こんなことにはなっていない。 だが、それにしても。 絵理に背を向けて絵理を殺そうとしていた何者かと戦うチェーンソー男の姿は、まるで――― 殺人鬼が初めて間合いをはかり、チェーンソーにマ剣を灯したまま肩の高さまで持ち上げてチェーンソー男に向けて真っ直ぐに構えた。 すっと空気が尖り、またしても大気がうねり出す。 あの『絶望』が押し寄せてきた時よりも、構えている時間が長く、大気のうねりも大きい。 何かが来る。しかもマ剣や『絶望』の波すら超える、強大な何かが。 直感的にそれを悟った絵理は、すぐに行動に出た。 チェーンソー男を助けるようで癪に障るが、それでもあの殺人鬼に太刀打ちできるのは現状チェーンソー男の攻撃だけだ。 『絶望』を超える脅威が放たれたならば、絵理にきっと勝ちの目はない。 『チェーンソー男ならば当然のように致命傷を与えることができる』という一点だけに、すべての希望を乗せる。 ガーターリングから新たに三本のナイフを取り出して投げる。 放たれたナイフは夜霧を切り裂き、チェーンソー男の右肩、右胸、左わき腹へと迫る。 チェーンソー男は当たり前のように振り返り、そのすべてを右上からの斬り下ろしで弾き落とした。 チェーンソー男の体が、チェーンソーに引きずられるように少し沈む。その瞬間を絵理は待っていた。 一気に駆け出し、チェーンソー男の頭を飛び越え、チェーンソー男と殺人鬼との間に割り込む。 どるるるるるるるるるるるるるる!!!! 聞きなれた音が背後から迫ってくるのを聞いて、絵理は地を蹴った。 殺人鬼の横をすり抜けて背後に回りこみ、そのまま殺人鬼の背も強く蹴る。 ぎゃりぎゃりぎゃりぎゃり、ぎゃ、ぎゃ、ぎゃ! 大量のノイズが空間に散らばる。 蹴り足を地に付け構えを取る絵理の眼前に広がるのは、左肩にチェーンソーが深く食い込んだ殺人鬼の姿だった。 体を一刀両断できずに胸の半ばほどで止まったチェーンソーの刃を、それでも無理やり押し進めるように、何度も、何度も、何度も力が込められる。 その度に殺人鬼の体を切り開きながらチェーンソー男のチェーンソーが押し進む。 それ以上進まなくなったチェーンソーを、チェーンソー男は力任せに抜き、抜いた勢いに任せて天を突くように高く振り上げる。 まるで白い血飛沫のように、殺人鬼の体から飛び散ったノイズが宙を舞う。 「今!!」 それにあわせて絵理も持てる力の全てを込めて、殺人鬼の体を強く蹴り上げた。 絵理の渾身の蹴りの力で殺人鬼の体が浮き上がり、そこに合わせるように追撃のチェーンソーが振り下ろされる。 怒声のようにチェーンソーが叫び。 悲鳴のようにチェーンソーが鳴く。 殺人鬼の手から離れたチェーンソーが暴れ、石畳をのた打ち回りあちこちを傷つける。 途切れ途切れに響く、悲鳴のように甲高い石畳を削る音に、どさりという肉感的な音が加わる。 見れば、左肩から腰のすぐそばまでを袈裟切りに切り落とされた殺人鬼の上半身が地面に落ちていた。 殺人鬼の上半身は、血を流すことなく、そのままノイズになって消えていく。 つられるように、切り伏せられる時に棒立ちの状態で固定された下半身も、さらさらとノイズとして溶けてなくなっていく。 ノイズの晴れた跡には、持ち主を失って命を失ったようにおとなしくなったチェーンソーだけが残された。 【チェーンソー殺人鬼 消滅】 重なっていたエンジンの音が消えた。 残ったのは、いつもと同じ。生を実感させる絵理の鼓動と、重なるように脈打つエンジンの音。 チェーンソーが空回り、重く空気を揺らし続ける。 どっどっどっどっど。どっどっどっどっど。 先ほどまでの共闘はまるでなかったことのように、絵理とチェーンソー男はいつものように睨み合っていた。 絵理に関していえば、とてもいつものようにとはいかない精神状況だったが。 空気が一段と冷えているのを感じながら、絵理の頭の中には先ほどまでの絶望的な走馬灯の代わりにいくつかの事実がぐるぐると回っていた。 聖杯戦争という異常と、そこに呼び出された絵理とチェーンソー男。 当然のように現れたチェーンソー男とは別のチェーンソーの殺人鬼。 絵理の知らない場所で出つづけている被害者。殺人鬼に殺される寸前に押し付けられた絶望の数々。 今日の間だけで連続して起こり続けたイレギュラーの数々。 すべてをそれぞれ個別に『そんなこともある』で切ってしまえばそれで終わり。 でも、それで終わりにはできない何かが、絵理の頭の中で組みあがろうとしていた。産声を上げていた。 チェーンソー男は複数居た。 つまり、絵理にとってのチェーンソー男が居るように、誰かにとってのチェーンソー男も居るのだ。 例えば、先天的に見えてはいけないものが見え、両親からも忌まれた少女がその扱いに元凶が居ると思ったなら、その少女の前にもチェーンソー男は現れただろう。 例えば、愛する娘のクローンの失敗作として母親に疎まれ、無残な扱いを受けていた少女が何かに原因を押し付けたなら、その少女の前にもチェーンソー男は現れただろう。 例えば、最愛の少女を海の底に引きずりこまれ、世界中に絶望していた少女がその理由なき絶望に理由を求めたなら、その少女の前にもチェーンソー男は現れただろう。 魔法の国の試験で手違いで悪魔と殺しあった少女にだって、その少女の手引きで殺し合いに巻き込まれた少女にだって、彼女たちにとってのチェーンソー男が現れる可能性はあったかもしれない。 世界のつらいこと、苦しいこと、悲しいこと、酷いことの原因は全てあのチェーンソー男だ。 でも、チェーンソー男は何人も居る。絵理の知っているものだけでなく、あのチェーンソー殺人鬼のように別の人物にとってのチェーンソー男も居る。 殺人鬼のような別のチェーンソーを持った怪人が、夜な夜な人に絶望を押し付けながら殺していく。 『世界に悲しみをもたらす黒幕である存在』が『複数存在する』。 その答えはきっと、矛盾しているようで矛盾していない。 チェーンソー男はきっと無数に存在するのだ。それこそ人間の数だけ。七十三億体くらい。 聖杯戦争というやつでも絵理がチェーンソー男と離れられなかったのは、きっとこのチェーンソー男が、『絵理の抱えている』チェーンソー男だからなのだろう。 「……」 そこまで巡り、絵理の頭にひとつの答えが浮かぶ。 チェーンソー男が何者なのか。 絵理がこれまで戦ってきた『世界に悲しみをもたらすもの』とは、結局なんなのか。 有体に言い換えるならば、チェーンソー男の真名はなんなのか。 数ヶ月の戦闘と積み上げられてきた雪崎絵理という個人の経験と、チェーンソー男が複数存在する事実と。 出会ってきた要素たちが重なり合い、そしてようやく絵理はたどり着いた。あの日出会ってしまった存在の、その正体に。 ああ。 チェーンソー男とは。 絵理の日常を狂わせた、世界に悲しみをもたらす悪の怪人の正体とは。 「あんたは―――」 しんと静まった空気の中。 絵理が口にした、『チェーンソー男』の正体。 それは奇しくも、あの日―――この絵理の辿り着かなかった未来、絵理と山本がチェーンソー男との決着をつけた日、山本が口走った言葉によく似ていた。 そうして、絵理はようやく顔を向けた。 絵理の戦ってきた『チェーンソー男』……両親と弟を失った日、絵理が出会った『 』に。 ☆ 『そうだ』 声の主は、チェーンソー男。 無貌の奥の表情が、闇に浮かんだ三日月が、誰かの言葉を並べだす。 『お前だけじゃない。 世界中の人間が、傷ついている。失う何かを諦めて、いつかの死を受け入れて、傷つきながら死んでいく。 尊い戦いなんてない。名誉も、価値も、その場限り。いつか全てが無意味だと分かる。溶けて消えていく、この世のどこかに。 全ての人間が、泣きながら、呻きながら、それでもどうしようもなく、失いながら、逃れられない死に向かって生きていく』 チェーンソー男の言葉に、記憶の鍵がこじ開けられ、絵理の頭の中を常識で満たす。 絵理だって本当は知っていた。 心のどこかで気づいていた。 両親と弟を奪ったのは交通事故だ。 大事な人が死ぬのも、好きになった人が消えるのも、友達が遠くに行っちゃうのも、絵理に知ることができなくても必ず何か理由がある。 悲しみは、誰かが、どこかで、何かをしただけなんだ。 世界中の悲しみに黒幕なんか居ない。そんな都合のいい存在が居るはずがない。 世界は誰かの都合の理不尽ばっかりだ。自分じゃどうにもできないやるせないことの連続だ。 それでも、皆生きていくしかない。 悲しくても辛くても理不尽でも生きていくしかない。誰かは死んでも、自分は生きているんだから。 絵理がそこから目を背けただけで、世界はあいも変わらず回り続けて、皆が同じように誰かの間違いで傷つき続けているのだ。 『お前の戦いは、何も残さず消えていくだけの細雪。 いつか無意味を噛みしめるために積み重ねられている細雪。 全ての人間が積み重ねてきた、変哲もない、意味もない、無意味の積み重ね』 『お前は死ぬ。どれだけ何かを積み重ねても、最期には全てを失って悲しみ、苦しみ、孤独に死ぬ。 お前は失いながら傷つくことしかできない。失うことと戦ったところで、勝利などそこにありはしない』 チェーンソー男が言っている。 いや、彼はずっと言っていたのかもしれない。 受け入れろ、と。 絶望を、理不尽を、不幸を、『チェーンソー男という存在を否定するもの』を、世界中の人々と同じように受け入れろ、と。 そして『 』に向き合い、それと折り合いをつけて生きていけ、と。 そうでなければ死ぬしかない。チェーンソー男に襲われて、永遠に治ることのない傷口から血を吐き出し続けて死ぬしかない、と。 積み重ねられた過去の絶望に固執せずに、悲しみや苦しみや失うことをすべて受け入れて生きていけ、と。 もし、絵理がすべてを受け入れたならば、きっと絵理は楽になれる。 チェーンソー男と戦うことはない。 何時間も寒空の下で待つことはない。 山本とだってもっと気を抜いて付き合うことが出来る。 限られた時間の中で、くよくよせずに、出来る限りの幸せを謳歌できる。 きっと賢い生き方だ。きっと今より胸を張れる生き方だ。 遠い昔に置いてきた家族が見たら、きっと微笑んでくれる生き方だ。 『受け入れろ』 今度ははっきりと、力強く。その一言が告げられる。 すべてを受け入れる。チェーンソー男を生み出してしまうような『 』と向き合い、それを受け入れて生きていく。 きっと大人なら。 大人じゃなくても、頭のいい子なら。要領のいい子なら。物分りの良い子なら。 なにかを失ってしまって悲しみや苦しみでその場ではわんわん泣いたって、そのうち心のぽっかり空いた部分に別の何かを埋めて。 そして、いつかはそうやって受け入れることに慣れていって、大人になって、理不尽な世界と折り合いをつけて生きていくんだろう。 『受け入れろ』 それは賢くて、胸を張れて、失った誰かも喜んでくれて。 「……嫌」 でも、駄目だ。 絵理には出来ない。 絵理はまだ大人じゃない。 絵理はまだまだ、大人未満の少女だ。 あの日突然押し付けられた悲しみを、苦しみを、絶望を、理不尽を、不幸を、何もなしに受け入れるなんて出来はしない。 『受け入れろ』 「そんなの、嫌」 声に出して否定する。 涙に濡れて、後ろ向きになって、いつかの傷口を気にしながら傷を増やして生きていくなんて絶対に嫌だ。 誰かがそんな絵理を許しても、絵理はきっとそんな自分は許せない。 許せたならそもそもチェーンソー男になんて会っていないに決まっている。 それでも、受け入れろというならば。 「私はたぶん、なんて言われても絶対に受け入れられない……だから私は、あなたを倒す」 結局、そこに帰結する。 チェーンソー男との戦い。それが絵理の青春だ。 ついでに言うなら山本と絵理の二人の青春だ。呆れるほどに死にたがりでも、それが絵理の青春だ。 チェーンソー男と、あの日以来チェーンソー男という形で絵理に関わってきた『 』と戦う。 たとえその結果体をばらばらに引き裂かれて死ぬかもしれないとしても、あの日出会ってしまった『 』に真っ向から食ってかかり、納得いくまで殴りあう。 この判断を、きっと誰かは愚かだと笑うだろう。 でも、誰かに納得されなくてもかまわない。他人の理解なんて必要ない。 青春に意味なんてない。理屈なんてない。王道も、邪道もない。 絵理が走ると決めたこの道が、絵理の青春だ。 「決着をつけにきたわ。これまでの決着を」 『これ以上チェーンソー男の犠牲は出さない』という戦う理由は、いくつもの出会いのせいで少し変わってしまったが、それでももうこの足は止まらない。 決着を付けに来た。 チェーンソー男と『 』に打ち勝つことで、この戦いの幕を引く。 死にたがりの青春が走り出す。 眼が眩むほどの巨大で強固な絶望に向かって。 ☆ チェーンソーが再び唸り声を上げ、ぎゃんぎゃんぎゃりぎゃりと地を駆ける。 軌道の見切りやすい、右下からの斬撃だ。 もうへっぴり腰は治っている。絵理はまるで柔道の受身のように体を回してチェーンソーとは逆側へと避ける。 体勢を立て直しながら太もものガーターリングに手を伸ばす。ナイフはもう一本しか残っていない。この一本は、確実なとどめの瞬間まで取っておく必要がある。 目に付いた賽銭箱の残骸といくらかの小銭を拾い、がむしゃらにそれをチェーンソー男目掛けて投げた。 プロ野球選手にも引け劣らない速度で放たれた小銭と木片がチェーンソー男にぶち当たる。 だが、絵理だってその程度で彼を止められるとは思っていない。 チェーンソー男が絵理の即席散弾攻撃に対応している間に少しだけ距離を取り、手水鉢に置いてあった柄杓を二本引っつかむ。 振り返れば、もう目の前までチェーンソー男が迫っていた。 手水鉢を足場にして、チェーンソー男の頭上目掛けて飛び上がる。と同時にチェーンソーが横一文字に振りぬかれ、絵理の真後ろにあった手水鉢を真っ二つにたたっ斬った。 ぎゃんぎゃんぎゃりぎゃりという音とともに、手水鉢が上下で半分に切り分けられる光景は、おぞましくもあり、けれどもなんだか馬鹿らしくもあった。 そのままくるんと空中で体を回し、姿勢を低くしたまま着地。と同時に、ナイフと同じ要領で柄杓を投げる。 手水鉢を斬り終わって振り返ったチェーンソー男は、やはり当然のようにその二本の柄杓をチェーンソーで迎撃した。 それがナイフなら、チェーンソー男の超人的な技量によってまったく同じ軌道で絵理の方に跳ね返されていたことだろう。 だが、今回投げたのは竹製のかなり細身の柄杓だ。そんなものをチェーンソーで迎撃すれば当然切断してしまう。 切断された柄杓が上空に放り出され、そのまま落下。かぽんかぽーんと小気味のよい音を立ててチェーンソー男の頭の上に降り注いだ。 別にチェーンソー男を馬鹿にしたかったわけではない。時間を稼ぐために『迎撃』を誘い出したかっただけだ。 チェーンソー男が迎撃していた間に、絵理はすでに目的を達成している。 迎撃が行われる数秒の間に絵理が手に取ったのは、殺人鬼が残したまま消えてしまったチェーンソーだった。 マ剣や『絶望』やそれ以上の力に期待したわけではないし、そもそも絵理はチェーンソーの使い方がわからない。 だが、太ももに残ったナイフ以外で唯一の武器として使えそうな武器だ。倒したいならこれも使うしかない。 「こ、んのっ!!」 ハンマー投げのようにぐるんと一回転して助走をつけ、チェーンソーを投擲する。 チェーンソーはぐるぐると回転しながらチェーンソー男の胴体目掛けて飛んでいった。 勢いは十分。当たれば大事な骨の一本や二本はへし折ってしまいかねない攻撃。 だが、チェーンソー男はやはりその超人的な身体能力で体をねじり、飛び上がり、走り高跳びのようにチェーンソーを飛び越え、そのまま石畳で削りながら走り出した。 逃げなければ。 そう思っても、咄嗟に体は動かない。体はチェーンソーを投げた際の遠心力に引っ張られたまま、バランスは即座には立て直せない。 チェーンソーが下から上へ、絵理の体の真ん中を通るように振り上げられる。 無理やり上半身をそらすが、チェーンソーの刃は無慈悲にも絵理の体に食い込んでいた。 ぎゃんぎゃんばりばり音を立てて、絵理の体が、縦に半分、真っ二つに割られる。 そして絵理はチェーンソーを降りぬかれた勢いで、上空に跳ね上げられてしまった。 視界の端には、絵理の未来を示すように、真っ二つに切り開かれ端々が血に濡れた鎖帷子が映っていた。 やっぱり粗悪品じゃ駄目だ。 それ見たことか。鎖と呼ぶには弱すぎる。 一振り受ければ見てのとおり、真っ二つのバラバラだ。 「……まだ、まだ!」 だが、立ち止まってはいられない。 跳ね上げられた勢いそのままにくるりと宙で一回転し、着地をこなして前を向き、疲れ知らずの両足に力を込める。 武器はないけど。 勝ち目もないけど。 どうすればいいかなんてわからないけど。 それでも走るしかない。 走り続けるしかない。 血が流れても。 傷が傷んでも。 力が続くなら走るしかない。 青春ってのはそんなもんだ。 一山いくらの高校生、雪崎絵理の青春だって、結局、がむしゃらに走り続けるものなんだ。 どこまで? 無論死ぬまで。もしくは満足するまで。 立ち止まってしまったあの日から、未来に辿り着けるまで。 絶望を乗り越えると決めた青春が、輝き出すその日まで。 走って、走って、走り続けて、ゴールテープを突っ切って。 千年の冬を突き抜けて、あの日霧の向こうに消えた青い春が始まるまで。 目の前に広がる海より広い絶望を、助走をつけて飛び越えろ。 迫る鈍色の波音。エンジン駆動の潮騒。砕ける飛沫は鉄の爪。 世間の荒波が、この世界を満たす大渦が、絵理を飲み込もうとしたって。 怖気づいて、立ち止まったらそれで終わりだ。 蹴りをつけろ。蹴りをつけろ。何度も何度も心が叫んでいる。 心の叫びを受け止められなかった、耳をふさぎ続けた根性なしな絵理はもう居ない。 『鎖帷子だ!!』 直感が叫ぶ。 『脱ぐんだよ!! 脱いで捨てればいい!!』 的外れな直感。 びっくりするほど鈍感で周囲の見えていない、まるで山本のような直感だ。 脱いでる隙に攻撃されたらどうするとか、脱いだあと何になるとか考えられてない。 だが、あえて従うことにした。 ロマンチストになったつもりはないが、それでも、その直感はチェーンソー男と戦ってきた絵理の直感でもある。 信じる根拠なんて、その程度でかまわない。 上段から唐竹割りに振り下ろされたチェーンソーを急ブレーキで避け、一歩バックステップして追撃もかわす。 同時にジャケットごと鎖帷子を脱ぐ。多少上半身の動きは楽になったが、それで何が変わるというのか。 『持ってちゃ駄目だ、邪魔だから! 投げろ! 投げちゃって! ほら、ぽいって!』 直感が叫ぶ。くだらない言葉を、まるで警鐘のように何度も何度も。 言葉に導かれるように、体が動く。 これまでの戦いで見せた力強い投げではなく、非力な女の子みたいな下投げで、チェーンソー目掛けて鎖帷子を放る。 チェーンソー男は知ったことかといわんばかりに、鎖帷子ごと絵理を斬ろうとまたチェーンソーを振るった。 横薙ぎの一線が鎖帷子を跳ね除ける。その勢いに、絵理も思わずバランスを崩し、こけてしまう。 どるん、どるん、どるん。 こけた衝撃から立ち直れば、絵理のちょうど真上に、チェーンソーが構えられていた。 万策尽きた。最期の審判の時が来た。 あとは、絵理に向かってあのチェーンソーが振り下ろされ、ぱかっと頭を割られれば、それでこのお話は終わりだ。 ――がが、が だが、絵理の悲鳴よりもさきに、チェーンソーが異音をあげた。 異音に不意を突かれ、絵理も、チェーンソー男も、揃って異音の元へと視線を注ぐ。 見れば、鎖帷子の無数の鎖がうまいことチェーンソーの刃に引っかかってしまったらしく、鎖帷子がチェーンソーの露出していない部分に巻き込まれていた。 どぅるん、どぅるん、ど、ど、ど―――が。 切り崩せない量の鎖帷子を巻き込んで、チェーンソーの回転が止まる。 途切れないと思った足音が、ついに止まる。 いや、止めた。 絵理があの日以降に手に入れたこれっぽっちの『幸福』が、痛みを伴う絶望の連鎖を止めたのだ。 その程度の幸福でも、絶望の足音は、『世界に悲しみをもたらす悪の怪人』は止まるのだ。 頭の中に響いていた山本によく似た短絡的な直感は、知ってか知らずか、絶望への特効薬を差し出していたのだ。 振り上げられた最後の審判は、振り下ろされない。 理解したその一瞬。 足は勝手に動いていた。 絵理は絶望と向き合い、立ち上がり、歩き出していた。 立ち上がった勢いでむき出しの心臓に向けて、太ももにつけたままだった最後のナイフを突き出す。 一撃を繰り出すその刹那、フードの向こうの顔と目が合った。 男なのか女なのか、妙齢なのか若年なのかも分からない顔。 しかし、最後の瞬間だけは違っていた。見覚えのある顔をしていた。 絵理の父の顔。 絵理の母の顔。 絵理の弟の顔。 そして、泣き出してしまいそうなままの今より少し幼い絵理の顔。 チェーンソー男は……あの日以来絵理の世界の真ん中だった存在は、あの日のままの『 』は、そんな顔をしていた。 突き刺さる一撃。 その一撃は決別ではない。 その一撃は、踏破。遠いあの日を乗り越える一撃。 ナイフ越しにチェーンソー男の心臓が、大きく脈打つ。 ☆ チェーンソー男の心臓が一度大きく跳ね、そして体を巻き込んで爆ぜた。 同時にチェーンソーも爆発し、あたりに鎖帷子の破片がばら撒かれる。 空中の何かが遊爆を起こし、強い力が渦巻く。 青白かった夜の神社の真ん中に、眩い橙色の光が生まれ、天に昇っていく。 まるで『憑き物が落ちた』ように、チェーンソー男の纏っていた強大な力が天に登っていく。 絵理には到底理解できないその力。 それはきっと、魔力と呼ばれていたもの。 それはきっと、『チェーンソー男』を……絵理がずっと戦ってきた何かを聖杯戦争に繋ぎとめていた鎖。 そしてそれはきっと、数ヶ月間絵理に生きる希望を与えてくれていた後ろ向きな幸せの鎖。 前を向いて歩いていくと決めた絵理にはもう必要ない、絵理がばらばらになってしまわぬように絵理という形に保ってくれていた鎖。 ぐらりとチェーンソー男の体が揺らぐ。 眩暈でも起こしたように、頭を抱えて体を捩じらせ。 そして、月に上っていった魔力を追うように、空へ向かって飛び上がっていった。 絵理が見上げても、すでにそのありきたりなホラー映画の悪役みたいな姿はない。 まるで夢か幻かのように、さっぱり消えてしまっていた。 いつもとは違う、まるで本当に消滅してしまったかのような消え方。 だが、絵理は知っている。 不死の怪人は死なない。 チェーンソー男が死ぬことはない。 絵理があの日出会った『 』は、決して消えることはない。 死んだように見せかけて、消え去ったように見せかけて、再びどこかに姿を隠すだけだ。 そしていつまでもいつまでも、絵理を殺す機会を伺い続けるだろう。 それでも、絵理にはわかっている。 少なくともチェーンソー男がこの先現れることはきっとない。 夜が来ようと、絵理が危ない目に会おうと、 雪崎絵理が再び『この世には悲しみの原因たるチェーンソー男が居るのだ』なんて馬鹿なことを思わないかぎり、きっと。 雪崎絵理が『 』に打ち勝って、後ろ向きな幸福に憧れず、前を向いて世界と戦い続けているかぎり、きっと。 「さよなら、チェーンソー男」 言葉が夜の風に乗って消えていく。 チェーンソー男が吸い込まれていった先。 霧の晴れた夜空の向こうでは、今にも落ちてきそうな満月が駆け抜けた絵理の青春たちを見守っていた。 「さよなら、私の青春」 絵理はもう一度だけ、夜空の向こうに消えてしまった死にたがりだった青春にさよならを告げて。 そのまま天を仰ぐように仰向けに倒れた。 【チェーンソー男 打倒、もしくは踏破(実質的脱落)】 ☆ 「はは、痛いなあ、もう」 縦に切り裂かれた傷口の傍を撫でる。血はもう止まっていた。 真っ二つだったところが、鎖帷子のおかげで皮一枚からもう少し程度でチェーンソーの刃を防げたらしい。 防御力1.65倍。成程、馬鹿には出来ない。 それでも胸に縦真一文字の傷跡が出来てしまった。時が経てば目立たなくなるだろうが、お嫁には行きにくい身体になってしまった。 「でも、さ」 体力はもうかけらも残っていない。 人間離れした身体能力も、チェーンソー男とともに手放してしまったらしい。 体がだるい。そして鉛のように重い。もうバク宙なんて絶対にできないだろう。 でも、この地に足ついた体の重さは、絵理も嫌いじゃなかった。 「上出来、じゃないかしら」 チェーンソーの炸裂に巻き込まれて破裂した鎖帷子の鎖を一つ拾い上げる。 もし、チェーンソー男を倒したといえば、山本はなんというだろうか。 「あれに勝てるのかよ」と驚くだろうか。「なんで置いてくんだ」と怒るだろうか。 「どうやって倒したんだ」と聞くだろうか。「一人で行くなんて、危なすぎる」と呆れるだろうか。 たぶん全部だ。 驚いたり、怒ったり、呆れたりしながら、二人でずっと話すんだ。 もう戦うこともないのに、二人で集まって、あの日は危なかったとか、あの日は死んだと思ったとか、話すんだ。 冬の寒い日に、あの日以来のお鍋を食べながら。 そしていつか。 この一風変わった青春も、昔のことになるんだろう。 二人揃っての命がけの日々も、笑い話になる日が来るんだろう。 「……会いたいなあ、山本くんに」 口元が緩んでいるのが分かる。自然に笑みがこぼれていた。 笑顔のおかげでようやく分かった。 雪崎絵理は、きっと、乗り越えられた。 あの日の『 』を泣きながら受け入れるのではなく、涙を拭いて乗り越えられたんだ。 ちぎれた鎖を、指輪のように指に重ねてみた。 空に透かせば、月の光が、指輪にあしらわれた宝石のように輝いていた。 なんだか、ちょっとだけ大人になれた気がした。 何者にも遮られない月明かり。歪に残った青春の欠片。 死にたがりの青春を一歩踏み越えた絵理への、世界一の贈り物だ。 ☆シルクちゃん 「どう?」 「死んではいねえな。気を失ってるみたいだ」 ハートの女王を倒し、いつの間にかロンドンの市街から元通りの様相へ戻っていたさいはて町を歩いていたシルクちゃんたちの耳に届いたのは戦闘を知らせる音だった。 音を頼りに駆けつけてみれば、一人の少女がサーヴァント(バーサーカー)と争っていた。 少女のほうはどうやら肉体強化系の魔術か宝具が付与されているらしく、まさに人間離れした大立ち回りを繰り広げ。 そしてバーサーカーを倒したと同時に少女の身に影響を与えていた宝具も消え去り、後には気絶した少女だけが残った。 少女が月にかざしていた手が力をなくして倒れたのを見計らい、シルクちゃんたちは彼女に近寄り、様子を確認する。 少なくともランサーが近くに魔力の反応を感じていない以上、導き出せる結論は『彼女が自身のサーヴァントを自身のサーヴァントの宝具で倒した』ということくらいだ。 「にしても、おかしな話だな。ってことはつまり、自分のサーヴァントと戦ってたってことか? なんでそんな意味のないことをやってたんだ」 「誰かにとって意味が無いから、いいんじゃないか」 彼女に何が起こっていたかはシルクちゃんにだってわからない。 それでも、彼女にとっては意味があることで、達成感や満足感があることだったはずだ。 横たわっている少女の笑顔が語っている。『何者にも理解できない、余計なものを手に入れた』と。 「無意味で無価値でくだらないけど最高のエンディングだよ、彼女にとっては。きっと、ね」 散らばった鎖の欠片を一つ、預かっていく。決して今の彼女の笑顔を忘れないように。 いつか。もし、シルクちゃんが復讐を遂げて……いつかの未来に忘却の彼方から『世界』を取り戻せたならば、彼女もその世界に残したい。純然たる『余計なもの』として。そう思ったからだ。 「じゃ、終わりだ」 拾い上げた鎖の欠片をポケットに入れ、シルクハットを深くかぶり直す。 「感傷に浸るのは終わりだ。都合のいいことに、どっかの一組が勝手に脱落してくれた。 彼女がどんなエンディングに辿り着いたとしても、私たちにとっては、それだけで十分だ。 少なくともまだ二体居る。バネ足ジャックか、ここの主か。どっちか、倒しに行こう」 「そいつぁいい。丁度、消化不良だったんだ」 階段を下りる前、シルクちゃんは後ろ髪を引かれるように、一度だけ、神社の方を振り返った。 やはり心のどこかでは少しだけ、彼女をうらやましく思っているのかもしれない。 シルクちゃんの戦いはまだ始まったばかりで、当分素敵な結末も見えそうにない。 彼女のように笑える日が、いつかシルクちゃんにも来るのだろうか。 そんな些末な思いを乗せながら眠っている少女の姿を一度だけ確認すると、シルクちゃんはまた何事もなかったかのように歩き出すのだった。 【???/さいはて町 神社/一日目 夜】 【シルクちゃん@四月馬鹿達の宴】 [状態]魔力消費(大)、魔力回復中 [令呪]残り三画 [装備]魔法の羽ペン [道具]マツリヤの名刺、古ぼけた絵本、ぬいぐるみ、鎖帷子の欠片 [所持金]一人暮らしに不自由しない程度にはある [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れて、復讐する。 1.さいはて町に興味。『バネ足ジャック』とさいはて町のサーヴァントを打倒? 2.探索が終われば、一旦帰還する。 4.フェイト・テスタロッサに対しては―― 5.ルーラーへの不信感。 6.時間があれば『本』について調べる。 [備考] ※アサシン(ウォルター)を確認しました。真名も特定しています。ただしバネ足ジャックとしての姿しか覚えていません。 ※偽アサシン(まおうバラモス)を確認しました。本物のアサシンではないことも気づいています。 ※フェイト・テスタロッサを助けるつもりはありません。ですが、彼女をルーラーに突き出すつもりもありません。 ※令呪は×印の絆創膏のような形。額に浮き上がっているのをシルクハットで隠しています。 ※出展時期は不明ですが、少なくも友達については覚えていません。 例の本がどの程度本編を書いているのかは後の書き手さんにお任せします。 ※魔法の羽ペンは『誰かの創った世界』の中でのみそうぞう力を用いた武器として使用できます。それ以外ではただの羽ペンと変わりありません。 ※『ハートの女王様』を倒したので、古ぼけた絵本とぬいぐるみを手に入れました。 【ランサー(本多・忠勝)@境界線上のホライゾン】 [状態]魔力消費(中) [装備]『蜻蛉切』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:主の命に従い、勝つ。 1.さいはて町散策。 2.『バネ足ジャック』ともう一戦交えたいが。 3.鹿角に小言を言われちまうな、これは。 [備考] ※『バネ足ジャック』の真名を知りました。 ※宝具『最早、分事無(もはや、わかたれることはなく)』である鹿角は、D-7の奉野宅に待機しています。 ☆エンブリオ 「やってくれるよ」 その一言が、今のエンブリオの感情の大部分を表していた。 彼女が見上げているのは、『近づいてはいけない場所』と呼ばれていた場所だ。 ただし、もともとそこにあったはずの傾いた微笑みの像はどこにも見当たらない。 その代わりに、代わりというには大きすぎる古めかしい時計塔が聳え立っていた。 「好き勝手に書き換えられてる。気分がいいもんじゃない」 侵入者の宝具によって展開されたロンドンの街並み。 それは侵入者が宝具の解放をやめれば自然と消えるはずだった。 事実、立ち込めていた霧とほぼすべての建物は、さっさと消え去ってしまった。 ただ一つ、時計塔だけを残して。 「やんなるなぁ、これ。景観ぶち壊しだよ」 『近づいてはいけない場所』に聳え立つ時計塔。 このさいはてで最も罪深い場所に現れた誰かのために鐘を鳴らす場所。 その建物の持つ意味を、エンブリオはまだ知らない。 「で、君はこんなところでなにやってるの」 時計塔の下、押しても引いても開くことのない入り口のすぐ横。 どこから用意したのか屋台を引いてきていた番人・金に汚い天使に声をかける。 金に汚い天使は細い目の端を下げてどこか誇らしげに笑いながらこう言い切った。 「折角ですしここを新名所にしようかと」 「別にいいけど、ここもともと『近づいてはいけない場所』だし今も瘴気出てるから観光客は来ないと思うよ」 「なんですと」 屋台に大量に詰まれた『さいはて銘菓 時計塔饅頭』を前に呆然と立ち尽くす金に汚い天使を見ながら考える。 『やってくれる』と言ったのは時計塔についてだけではない。 時計塔の出現と前後して、用意していた番人・チェーンソー殺人鬼の消滅を確認した。なんとなくそう感じた。 それもまた侵入者の仕業だ。時計塔の宝具と同一人物かは分からないが、脅威がさいはてに残っていることに変わりはない。 「それで、チェーンソー殺人鬼が負けちゃったんだけど」 「ふふふ、チェーンソー殺人鬼がやられましたか……まあ、彼は番人の中では私より強力…… あれ、もしかして私ヤバいんじゃないですか」 「そりゃあまあねえ」 金に汚い天使はマホウこそ使えるが、全てのスペックでチェーンソー殺人鬼を下回っている。 その殺人鬼が倒されたとなると、相手は金に汚い天使を遥かに凌ぐ力を持っているに決まっている。 もし殺人鬼を倒した人物と金に汚い天使が出会って戦うことがあれば彼女も即座に倒されてしまうだろう。 「一日目からこれっていうのはちょっときついなあ」 侵入者が現れることは想定内だ。だが、チェーンソー殺人鬼があっけなく倒されることまでは考えていなかった。 正直、敵の力量を下に見ていたかもしれない。あるいはさいはての住民たちを高く買いすぎていたかもしれない。 子供向けの戦隊物番組じゃないんだから、ご丁寧に番人を一体ずつ向かわせる必要はない。相手の力量に合わせて囲んで棒で叩くべきだったのではという後悔も、今となっては意味がない。 そして追い討ちのように、チェーンソー殺人鬼が二度と出せないように彼の存在の上に何かが塗りつぶされている。 単なるノイズならまだしも一度完全に倒された『特殊なキャラクター』は二度と現れない、さいはて町での自然の摂理だ。まあ金に汚い天使のように例外も居るが。 「どうするかなあ、本当」 ヨウスケとトオルが出せないのはまあなんとなくわかっていたが、昼食会のメンバーすら出せないというのは完全に予想外だった。あれから数時間経つのにいまだにショックが抜け切れていない。 とりあえず出しておく必要があるからいずれ追加はしておくが、開拓者と昼食会という選択肢無き今呼び出せる番人はかなり数が限られている。 その上更に一度出した番人は二度と再利用することが出来ないとくると、今後は出す順番や出す人数など戦略を立てていく必要があるだろう。 「はあ、何の因果でサーヴァントになってまでこんなやりくりしなきゃならないのか」 「大変ですねえ。お饅頭食べます?」 「じゃあ一個もらおうかな」 「えっ、じゃあ3000Gです」 「……」 生意気な番人をぽかしと叩き、顎に手をやり考える。 侵入者は依然さいはて内をうろついているとみて違いない。きっとこれから先も町中で好き勝手に暴れていくだろう。 タイミングの悪いことに玲もさいはてに帰ってきたらしい。 町を守らなければならない。玲も守らなければならない。侵入者にはさっさと出て行ってもらって、いつかの未来が来る日まであの日のままのさいはてを営み続ける。 やるべきことはいくつもある。 しばらく休んだことで魔力が少しは回復したが、ここから先にはまだまだ困難が待ち受けていそうだ。 エンブリオは、ひったくった饅頭を食べながら行動の優先順位を整理し始めた。 【???/さいはて町 時計塔前/1日目 夜】 【エンブリオ(ある少女)@さいはてHOSPITAL】 [状態] 魔力消費(小) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:引きこもりながら玲を見守る。 1.さいはて町の守護者を作り、さいはて町を破壊から守る。 2.玲が緊急事態に陥った場合はさいはて町から出るのもやぶさかではない。 [備考] ※『金に汚い天使@さいはてHOSPITAL』を召喚しました。現在、特に指示は出していません。強さはチェーンソー殺人鬼よりも弱いぐらいです。 ※紳士の昼食会を召喚することは出来ませんでした、原因は不明です。 ※一度倒された番人の再生産は出来ません。現在倒された番人は『チェーンソー殺人鬼』です。 [地域備考] ※さいはて町まんなか区近づいてはいけない場所にあったEX【不思議の国のアナタ】が消滅し???【時計塔】が現れました。 現在は入ることはできません。いつか入ることができるようになるかもしれません。 入り口付近で名物時計塔饅頭が売られていますが、外の包み以外は普通の饅頭です。 騙されないように注意しましょう。ストップ詐欺被害。 ※さいはて町しらぬい通りあたりに漂っていた霧が晴れました。 ☆ る、る――― 歌が聞こえる。 誕生を祝う歌が。 退院を祝う歌が。 再起を祝う歌が。 り、ら、り――― らら、りら、り――― 凍りついた霧の結晶が地面に落ちて溶けていく。 溶けた雪が水になり、月の光を浴びて鏡のようにきらりと輝く。 月下にふわりと人形が舞い降りた。鏡の世界の向こうから、宝物を探しに。 「素敵な笑顔」 散らばった青春の残骸を踏みにじり、眠り続ける絵理に歩み寄っていく。 「そのまま、幸せな夢の中で眠り続けましょう」 白い薔薇の茨が絵理の身体を包み込む。 そして、霧の生み出した水滴の鏡面に、彼女を引きずり込んだ。 「おやすみなさい、いい夢を」 りり、らら、り――― 歌を聞き届けるのは魂を持たない二体の裁定者。二体は、再びどこかへ消えていく。 駆け抜けた死にたがりの青春を踏みにじり、自分勝手な殻の中へ。 る、らら、るるる。 ついにずっと引きずっていた昨日を乗り越え、明日へと歩き出した少女。 少女はこれから先、ずっと幸福な明日の夢を見続ける。 チェーンソー男を倒してからの『めでたしめでたし』の先にある、そうなっていたかもしれない世界の夢を。 目覚めることのない眠りの中で。 いずれ肉体を失い、魂を失い、完璧な少女の血肉として世界から消えるその時まで。 ☆ ―――「さようなら、私の青春」 少女は青春を乗り越えて大人になる代わりに、少女ではいられなくなりました。 そうしてかつて少女と呼ばれていた子は、少女たちだけの舞台の上には居られなくなったのでしたとさ。 めでたしめでたし。 【雪崎絵理 脱落】 BACK NEXT 032 友情に火を点けて - Friendly Fire - 投下順 034 もう一度、星にひかれ 041 崩壊ウォッチ 時系列順 035 宣戦布告 BACK 登場キャラ NEXT 029 少女たちの青春診療録 雪崎絵理 GAME OVER 026 ALL HAZARD PARANOIA バーサーカー(チェーンソー男) 031 さいはて町に鐘が鳴る シルクちゃん&ランサー(本多・忠勝) 037 思い出が窮屈になりだしたこの頃の僕らは 024 きっと世界は君のもの きっと世界は僕のもの エンブリオ(ある少女) 030 ティー・パーティーをもう一度 ルーラー(雪華綺晶) 048 ―――を斬る 人工精霊(ファヴ)
https://w.atwiki.jp/chikugogawa/pages/297.html
「さようなら」という言葉をわざわざ深く掘り下げて考えてみたい人は世の中に多いらしい。さようならという言葉でググると、外国語との関係や、さようならの後に続くはずの言葉について考えてみようとしているサイトにたくさん出会う。 「さようなら」はそういうことでしたら、という意味。また会いましょうとか、相手を気遣う言葉とかではなく、この言葉自体には接続詞の意味しかない。だから、明示的に語られていない本来の意味が何なのか、さよならと言ったり、言われたり、言わなければならなかったり、言わないようにしてみたりする人たちが、考えのよりどころとして本当の意味を探している。 しかし、ずいぶんとサイトを手繰ってみても、十分な根拠を持ってこの言葉に続く言葉を探し当てたところには出会わなかった。 「さようなら」という言葉で引っかかる、特に古い言葉は十返舎 一九(1765-1831)が東海道中膝栗毛(1802-1809頃の作品と言われている)や辞世の句は「この世をば どりゃお暇(いとま)に 線香の 煙とともに 灰(はい)左様なら」(1831)で、さやうならや、左様ならを用いたということ。ここでの用例も、もっと古くからある、単純にそういうことなら、という意味のさやうならの移行期というわけではない。すでに別れの言葉。 となると、先日指摘した、岩佐又兵衛が1600年代前半に書いたとされる山中常盤物語絵巻の中の「さらば」の方が古いし、知識人の素養レベルといえる平家物語の「さらば暇申して(平家七・忠度都落)」が「さらば」「さようなら」「では」「じゃぁ」といった接続詞的な言葉を日本語の中で別れの意味を持たせた重要な言葉なのかなと。十返舎 一九あたりで、さようならの勢力が勢いをつけたかな、と。 そういうことならこの最初の言葉、「いまは浮世に思ひおくことなし。さらばいとままうして」を言った、薩摩守忠度(さつまのかみ ただのり)はすごいなぁ。後に無賃乗車の代名詞になるとは本人も思いもしなかっただろうけど。 しょせんグーグルと、我が家にある何冊かの古典をめくって、一週間弱かけてたどり着いた話。大学の図書館とか、戸越の資料館とかでまじめに検索してからでないとまともな答えとはいえないと思いますので、多少眉唾でヨロ。 よくやってることなんですが、upる前につまに内容の確認を取ってみました。大筋でまぁいいんじゃない、って感じで。 で、「平家物語の、さらば暇申して、のところだけど」というと、「あぁ、薩摩守忠度でしょ、よみ人知らずで入れてもらった。キセルの代名詞よね。」といわれ、 「岩佐又兵衛の絵巻だけど」というと、「あぁ、あのお母さんが惨殺されたやつ」といわれました。 このあたりって、一般教養なんですね。付け焼刃の知識であがいているオレっていったい、ってちょっと悲しくなったかも。 でも、「東海道中膝栗毛読みたいから貸してくれ」っていうと、買おうと思ったはずなんだけど、と部屋に10分ほどこもって、「みつけられない、買わなかったかも、そういう依頼は休日にお願い」って汗だくで怒られました。そのくらいの定番はもっとけよ、と思いながら謝りましたけど。
https://w.atwiki.jp/tsuvoc/pages/1654.html
永久にさようなら えいきゅうにさようなら (慣・UPS, 99)番組最後の決まり文句。「永遠にさようなら」のこともある。 [同]一生さようなら・また来世・それが伊集院光の声を聞いた最後だった
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【検索用 さようならはなとろほうさん 登録タグ 2015年 VOCALOID YouTubeミリオン達成曲 さ メル 初音ミク 曲 曲さ 殿堂入り 鳥本ゆき】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:メル 作曲:メル 編曲:メル イラスト:一二三ん(鳥本ゆき)(ニコニコ) 唄:初音ミク 曲紹介 #5 Good-bye, Ms. floral thief 「花を盗もうぜ。」 曲名:『さようなら、花泥棒さん』(さようなら、はなどろぼうさん) メル氏 の5作目。 歌詞 (PIAPROより転載) 最低な恋をして曖昧に終わるんだ 案外さ それだけで幸せなのかも 最低な人生で簡単に終わるんだ 案外さ それだけで幸せなのかも 夢の夢のまた夢を見ていたの シーサイド 子猫の甘い結末 さようなら ぱっぱっぱっぱっ 花をもぎ取って ぱっぱっぱっぱっ 偏平足で海辺を走った 軽やかに 軽やかに さようなら ぱっぱっぱっぱっ 花を呑みこんで ぱっぱっぱっぱっ 裸になって海に飛び込んだ 生きている気がしている 「私はね知ってる。嘘をつくとき君はあごを触る。今もそうやって。」 平凡な毎日も数年で終わるんだ 案外さ それだけで悲しくなれるね 最高な君だって簡単に死んじゃうし 案外さ それだけで悲しくなれるね 愛を愛をその愛を食べたいな she said 「その手で私の首を絞めて」 さようなら ぱっぱっぱっぱっ 愛をもぎ取って ぱっぱっぱっぱっ 真っ赤な頬をして裸になる 淑やかに 淑やかに さようなら ぱっぱっぱっぱっ 愛を呑みこんで ぱっぱっぱっぱっ 2人は眠る 汚したシーツで 生きている気がしている 「私はね知ってる。永遠の幸せなんてないんだよ。花も枯れるでしょ?」 それから数日経って浜辺に来たんだ ぱっぱっぱっぱっ 夜の淵でため息をついてさ チョコレート チョコレートみたいに 甘くて苦くてそんな味がする ぱっぱっぱっぱっ 煙草を吸ったら 朝が来るまで 抱きしめて 抱きしめて さようなら ぱっぱっぱっぱっ 花をもぎ取って ぱっぱっぱっぱっ 偏平足で海辺を走った 軽やかに 軽やかに さようなら ぱっぱっぱっぱっ 花を呑みこんで ぱっぱっぱっぱっ 裸になって海に飛び込んだ 生きている気がしている 「私たちもう1度やり直せるかな?」 「ほら見て春が来た。」 「花を盗もうぜ。」 コメント 最高な君だって数年で死んじゃうし ではなく最高な君だって簡単に死んじゃうし、だと思います!! -- こはく (2015-04-04 14 36 50) そこはピアプロだと数年になってるね、動画だと簡単だけど -- でぃえご (2015-04-04 17 31 36) 何にも染まってない純粋な歌ですね。 -- ニヤ猫 (2015-05-03 11 10 58) メロも歌詞もすごく好きです! -- かれん (2015-05-03 23 14 12) 好きです -- 名無しさん (2015-06-16 21 52 52) いいね -- う (2015-08-11 00 12 36) 扁平足ではなく、偏平足だと思います -- 名無しさん (2015-11-11 07 14 13) ああ~軽やかわいい♪ -- 名無しさん (2015-12-03 21 17 43) このリズム好きだな~♪ -- らなは (2015-12-28 01 01 41) この曲いい。。。一番のサビの(嘘を吐くとき)のところ、(嘘をつくとき)だと思うのですが。。。気のせいですかね? -- ロリくん (2016-01-04 21 54 20) ↑嘘を吐く、でうそをつくと読むのですよー -- 水無月 (2016-01-04 22 02 40) ↑なるほど!ごめんなさい、ありがとうございます! -- ロリくん (2016-01-04 22 06 22) 名無しさん、動画内でも扁平足なんでたぶんそれでいいんですよたぶん -- ヨル (2016-01-21 23 16 17) スーサイドとかけてるのかな -- 名無しさん (2016-02-12 20 47 35) もーーこの曲めっちゃ好みで大好きです!! -- レティ (2016-02-16 07 47 22) 男の後に女の方も居なくなったとか そこまで深読みせず聞いても好きな歌 -- 椎名 (2016-02-28 14 17 02) この歌大好き -- 名無しさん (2016-03-28 13 00 32) 地味に泣ける…。 -- 名無しさん (2016-04-25 18 17 32) 泣ける…… -- 名無しさん (2016-04-25 19 03 45) すこ -- 名無しさん (2016-05-10 21 38 40) 曲調好きかわいい好き!! -- 葵 (2016-05-15 12 56 46) 森絵都みたい -- 名無しさん (2016-05-26 17 51 17) かわいい! -- 名無しさん (2016-05-27 16 11 15) 花泥棒さんは女性なのね -- 名無しさん (2016-05-28 17 23 12) 可愛くて好き。最近ハマってる -- 名無しさん (2016-05-29 19 14 52) なんか、全てが可愛い -- 名無し (2016-06-04 16 08 41) ふわふわしてて可愛い -- 名無しさん (2016-06-07 19 25 38) 大好きやわー♡ -- 黒猫 (2016-06-13 22 51 54) カワ(・∀・)イイ!! -- 羅刹女 (2016-06-15 22 10 57) 殿堂入りおめでとう! -- 名無しさん (2016-06-15 22 26 52) 爽やかで可愛い! -- 湯豆腐 (2016-07-18 07 29 36) ぱっぱっぱっぱ のとこ中毒性やばい -- まい (2016-07-28 16 22 41) リズム好き、中毒性ある -- ゆう (2016-09-12 21 16 10) 嘘を吐くとき君はあごを触る× 嘘をつくとき君はあごを触る○ -- 名無しさん (2016-09-16 19 57 48) 好きですこれ。 -- しふぉん (2016-09-20 18 07 16) ぱっぱっぱっぱっ♫かわいい曲・・ -- つぼつぼ (2016-10-02 21 03 55) ↑↑↑嘘をつくで「吐く」ってよむよ(゚∇゚) これ好き~♫ -- 名無しさん (2016-10-02 21 06 53) 可愛い曲だけど首を絞めてとか結構物騒なワードあって恋の歌だなーって思う(笑) 後、単純に漢字読めない人多いなwwwww -- 名無しさん (2016-10-03 17 43 22) あのゆるい感じがたまんない!! -- 名無しさん (2016-10-04 23 33 56) 「愛をもぎ取って」と「ぱっぱぱっぱ」の所好き♡ -- 名無しさん (2016-10-21 21 06 59) 「その手で私の首を絞めて」で好きです〜□ -- 名無しさん (2016-11-16 15 22 52) この曲の解釈って、奥が深いですよね -- 名無しさん (2016-11-16 17 27 08) かわいい~ -- 名無しさん (2016-12-10 21 49 24) 何もかも吹っ切った後の爽やかな切なさ -- 名無しさん (2016-12-26 23 46 42) 可愛い曲かと思ったけどよく歌詞見たら -- 名無しさん (2016-12-31 22 14 20) ドロドロな恋愛系だったw -- 名無しさん (2016-12-31 22 14 49) かわいい曲だな~、かわいいメロディーだな~、と思ったら歌詞が深っ!!∑( °Д°) -- 名無しさん (2017-01-04 19 45 22) 可愛い曲♡頭に残る(笑) -- 名無しさん (2017-02-23 14 03 58) 『汚したシーツで…』 あっ…察し -- 名無しさん (2017-03-06 21 57 25) 歌詞が意味深……家族の前では流せないw -- ゆい (2017-03-29 15 24 34) 好き( -- やの (2017-05-01 10 29 37) 最初の「最低な人生で簡単に終わるんだ」でグサッと来て泣いてしまった -- れおん! (2018-03-27 06 39 15) 一見可愛い曲だなあって思うけど歌詞見たり聞きこんだりしてるうちに解釈が深くなっていくところが好き -- ももんが (2018-08-18 14 52 28) よく聴くとドロドロしてて好きです!人間味を感じる(?) -- 名無しさん (2018-10-18 19 58 33) 若い青さと、別れを予感した刹那的な感じが素敵 -- 名無しさん (2018-10-23 16 14 56) 本当にこの曲がうまれてきてよかった。ありがとう -- 透風 (2018-12-03 21 07 44) 全然ドロドロはしてないでしょ。人間臭くて切ない歌だよ -- 名無しさん (2018-12-25 11 49 55) 良い曲ですね(*^O^*) -- 名無し (2019-01-23 21 20 51) 綺麗な感じで、純粋に思える曲で、出会えて良かったと思いました -- 名無し侍 (2019-01-23 21 54 25) 切なくて、可愛くて、ほろ苦くて、とても好きです。 -- ゆう。 (2019-02-14 22 36 35) ぱっぱぱっぱぱっぱいい曲😭 -- 名無しさん (2020-05-09 14 22 27) 共感しちゃう🥺🥺 -- ユイ (2020-09-05 15 44 37) 六十万再生になりましたか。こりゃミリオンも夢じゃなくなってきたかも。 -- 名無しさん (2020-10-27 14 33 30) ぱっぱっぱっぱっが好きすぎる -- 名無しさん (2021-05-20 18 08 18) 情事の表現の仕方素敵すぎる。愛をもぎ取ってという表現がかわいらしい… -- 名無しさん (2022-05-24 22 41 33) すごい懐かしい・・・昔ハマってたなぁ -- ごま油 (2023-04-05 10 33 07) ラーメンを頭から被ってるように見えるっていうコメントで吹いた -- 名無しさん (2023-09-12 01 22 56) 花束の上の方がポテトにも見えるよ -- にゃにゃし (2023-12-30 09 28 20) 懐かしい…可愛いけど大人な内容なのに惹かれたなぁ -- ニヤッ… (2024-03-07 15 44 21) 切なすぎ… -- 名無しさん (2024-05-02 19 14 26) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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【検索用 さよーならみなさん 登録タグ 2015年 GUMI NexTone管理曲 VOCALOID YouTubeミリオン達成曲 Yuma Saito さ ぽわぽわP 曲 曲さ 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ぽわぽわP 作曲:ぽわぽわP 編曲:ぽわぽわP ピアノ:千澄 イラスト:ゆの 動画:Yuma Saito 唄:GUMI 曲紹介 「涙が 涙が 止まらないのどうして?」 曲名:『さよーならみなさん』 アルバム『生きる』収録曲。 歌詞 (PIAPROより転載) 欲しかったおもちゃを手に入れ 壊して直してを繰り返してたな 欲しかった彼女のキモチを 逸らして見つめてを繰り返してたな 同じようなパンチを食らうのはどうして? 君と一緒に居たのは何故? さあ、ポンポンポンポン浮かぶのは いつも「最悪」ばかり でも幸せなんだろう ポンポンポンポン飲み下す いつも眠剤ばかり でもいつも夢を見ていたよ 嫌だった普通じゃない道のり 歌にして何とか誤魔化してばっかで それに酔って痛ましい姿で 逸らして見つめてを繰り返してたな 不安でも不安でも歩けたのどうして? いずれ死んでいくのは何故? さあ、トントントントン進むのは 大人の都合ばかり じゃあ子供はどうすんの? コンコンコンコン唆す 「君は大人なんだから」 僕はいつ大人に「なった」のだろう? 涙が 涙が 止まらないのどうして? いずれ死んでいくのは何故? さあ、ずんずんずんずん背が伸びて 君を抜かしたあの日 そう、幸せだったろう。 コンコンコンコン ドアを打つ 明日を目指す毎日も 今日で終わること知ってるよ コメント + コメント 2015〜2018 追加乙!! -- 良太 (2015-03-05 16 14 17) 乙です!最初の「1、2、3、4」は椎名もたさん本人の声かな? -- かぜのななし (2015-03-05 19 40 51) 乙です。曲調いいね -- 名無しさん (2015-04-05 14 36 30) 乙。これを機にアルバム買おうかな -- 名無しさん (2015-07-17 14 46 56) 曲も歌詞も素敵 -- 名無しさん (2015-07-25 17 22 25) さよーならもたさん -- 名無しさん (2015-07-29 22 22 20) よさーならもたさん。ありがとうございました。 -- VAN (2015-08-02 12 56 12) さよーならもたさん。涙が止まらいのはあなたが居なくなったから。 -- 名無しさん (2015-08-02 14 39 24) 「さよーなら」じゃなくて、「またね」だよ。素敵な歌を、また聴かせて欲しいです。 -- ゆいか (2015-08-08 18 34 45) ↑泣いたわ。そうだよね、またあなたの曲に出逢いたいです。 -- 名無しさん (2015-08-09 22 21 01) もたさん!またいつか貴方の曲を聞かせてくださいね! -- ひか (2015-08-17 14 44 11) そうか、またねか。じゃあ、またね。もたさん。 -- 名無しさん (2015-08-26 10 03 19) またね、ぽわぽわP! -- 名無しさん (2015-12-02 21 18 17) 後世まで続け -- 名無しさん (2015-12-14 16 10 23) 皆さん素敵です。このコメントを見て、もたさんもきっと何か想ってくれています。またね、もたさん。そっちに行ったらまた素敵な歌をまた聞かせて下さいね!楽しみにしてます! -- 名無しさん (2016-08-25 15 36 29) コメ感動 またね…… -- かのん (2016-09-03 21 37 17) さよーならもたさん、また逢う日まで。 -- かんな* (2016-10-07 21 09 05) ずっとずっと大好きです。また、まだ、あなたの歌が聞きたいです。またね、もたさん。 -- らいら (2016-12-02 01 05 47) 終わらないよ。まだ、ずっとみんなと生きるんだよ、もたさん。 -- 名無しさん (2017-01-27 18 07 56) 大好き -- 音乃 (2017-02-03 12 47 53) ありがとう。絶対忘れない。 -- 名無しさん (2017-03-16 17 58 18) 大好きです。 -- 名無しさん (2017-04-16 23 08 57) この曲ってもたさんも一緒に歌ってるんですか?久しぶりに聞いたらそんな感じがしました -- 名無しさん (2017-07-02 21 01 00) ↑本人も一緒に歌ってるよ -- 名無しさん (2017-07-04 11 29 41) もたさん、素敵な歌を生んでくれて本当にありがとう。ゆっくり休んでいいよ。 -- 黒子 (2017-07-25 09 56 09) もたさん、さよーならには早すぎたよ。でもさよーならじゃなくて、またね。またもたさんが生まれ変わったら会おう、待ってます。 -- 名無しさん (2017-08-03 23 15 44) 曲を聴いて泣いてここのコメント読んで泣いた。もたさんありがとう、またね。 -- 玄維 (2017-08-04 10 11 09) 最高かよ、です…泣きました。ありがとうもたさん。また聴きます。 -- アイラ (2017-08-07 21 05 40) 歌ってるのって…もたさんとGUMIちゃんかな?かっこいい!! 天国でも素敵な曲作ってくださいね(*´▽`*)そして、さよーなら、もたさん。 -- ライム (2017-10-21 17 21 40) さよなら…いいえ、またね。ですね。「椎名もた」さんに、出会えてよかったです。私が 今生きていれるのも貴方のおかげでもあります。ありがとうございます。 天国では幸せですか?幸せなら、嬉しいです。生まれ変わったら、是非会いましょう!またね、愛しの椎名もたさん。 -- ナキムシ (2018-08-31 21 22 45) さよーならじゃない。 -- 名無しさん (2018-11-03 11 58 18) それじゃ、またね。バイバイ -- ね。 (2018-11-03 11 59 06) もたさんの曲で一番すき。きらきら明るいメロディとか、哀しくてでも柔らかく子供っぽくした歌詞とか、私の中でボカロの最高傑作。みんな曲のこともっとコメントしてほしいなぁ。気持ちはすごくわかるからこそね。 -- 名無し (2018-11-04 20 55 48) もたさんが亡くなる前から明日を目指す毎日も今日で終わること知ってるよっていう歌詞にどきりとしていた…なんかさみしい感じ -- 名無しさん (2018-11-05 12 04 31) もたさんが消える前に聞いとけば良かった。大好きです -- ロウ (2020-12-06 15 06 59) もたさんだいすき -- 名無しさん (2021-09-04 00 49 16) さよーならみなさん。さよーなら今までの世界。 -- 名無しさん (2021-09-17 14 41 51) この曲すごくすごく好きです。出会ったのがいつであろうともたさんの音楽に少しでも触れられたことが幸せです。 -- 名無しさん (2021-11-26 20 05 19) つづけるっていったのに……。うそつき……。さよなら……。またね……。ありがとう……。 -- 尾北れむ、 (2021-12-31 09 15 31) もたさん...本当に遠くにいってしまったんだなぁ。それでも本当にいい曲をありがとう...またね -- 名無しさん (2022-03-22 22 23 54) もたさんに出会ってからもう2年経ったけどどの曲も色褪せないなぁ。この曲にもたくさん助けられました。本当にありがとう。 -- ハイカラ (2022-07-18 21 48 58) もたさん、28歳の誕生日おめでとう。これからもよろしくね。 -- 名無しさん (2023-03-09 22 30 09) いずれ死んでいくのは何故? -- 鈴青 (2023-10-05 20 10 20) なんでしんじゃったの?もっと早く知っとけばよかった...天国でも素敵な歌を作ってくださいミクちゃんと永遠にお幸せに -- 名無しさん (2024-04-15 00 03 15) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/4323.html
245 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/12/19(金) 10 51 09 ID ??? まあ、コンベでモデルガンを突然人に突きつけた奴もいるぐらいだしな 248 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/12/19(金) 12 24 13 ID ??? 245 もしかしてYってやつか? 292 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/12/19(金) 17 25 38 ID ??? 248 君の言ってるYが、ガンドッグでモデルガンを突き付けてたYなら、その通りかもな。 361 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/12/20(土) 14 50 34 ID ??? 248 モデルガンどころか、エアガンを突きつけるS、Uもいた スレ212
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唯「はぁ・・・はぁ・・・」 玄関のドアに背を向けて息を切らす唯。 玄関の外からは和の泣き叫ぶ声が聞こえる。 しかし、唯は罪悪感を感じるどころか、不思議な気持ちになっていた。 なんだろう、この感覚は・・・ 今までにない、この感じは・・・・。 すると唯はハッとしたようになって、二階へ上がって行く。 そうだ、今私の心を満たしてくれるのは 復讐 なんだ。 勢いよく二階に上がって行く唯の背中を憂は寂しそうに見つめる。 唯は部屋に戻ると、さっそく机に向かった。 積極的に机に向かうことなんて今まで無かったのに。 唯「まずは・・・こいつからだ・・」 復讐の計画を立てる唯の横に置いてあるHTTの思い出の写真立達は 暗い影を落としていた。 律と唯が楽器屋で会った日から三日が経とうとしていた。 その日は酷い暴雨で、風も吹き荒れる日だった。 あまりの悪天候のため、律は出かけることも無く、 家で弟の聡とのトランプ勝負に励んでいた。 聡「・・・次、姉ちゃんの番だぞ。」 律「・・・・・・。」 聡「・・・? おい、姉ちゃん? 聞いてる!?」 律「・・・・・・! わ、わりぃ、なんかボォーッとしちゃってっ・・・」 律はこの三日間唯のことばかり考えていた。 『もう私に関わらないで・・・』 この一言が律の心を絞めつけていた。 どうしたら唯を救うことができるのだろうか。 どうすれば唯は自分を許してくれるだろうか。 そんなことばかり考えていた。 もう頭がおかしくなるほどに。 ここ何日かはろくに食事も取れず、ほぼ一睡もできていない。 聡をトランプに誘ったのも少しでも気を紛らわすためだった。 律「・・・じゃあ、これ! うわっ! ジョーカーじゃん!」 聡の前で明るく振舞う律。 例えそれが全くの演技だとしても少しは気の紛れになった。 本当はめまいさえ感じるが、うまく自分を騙す。 聡「へへへっ・・・・」 二人でやるばば抜きにはどこか張り合いの無さを感じてはいたものの、 ゲームの内容なんてものは律にとってはどうでもよかった。 律「・・・・・うわぁ! 負けたぁ!!」 聡「いぇ~い、姉ちゃん顔に出るからすぐわかんだよ!」 ちょうどゲームの勝敗がついたとき、不意に ピンポーン 玄関のチャイムが鳴った。 聡「姉ちゃん負けたんだから見てきてよ!」 律「ちぇ、仕方ねーな。」 律は疲労で重くなった体を持ち上げると、 しぶしぶ玄関へと向かった。 律「はーい。どちら様?・・・・・・・!?」 律が玄関のドアを開けると、そこには誰もいなかった。 律(なんだよ、イタズラかよ・・・・・) 律がいらいらとしながらドアを閉めようとしたとき、 ポストの間に挟まっていた一枚の白い紙に気づいた。 律(・・・・?) 律がその紙をとりだして、表裏を確認しても切手の跡が 見当たらなかったため、これは個人によって投函されたものだとわかった。 律(こんな古風な真似するのは・・・・やっぱり澪だな。 今度はもう騙されないんだからな!) 律はそんなことを思いながら、玄関先でそれを開いた。 律 ・・・・・! そこにはこう書かれていた。 『りっちゃんへ 私があのサークルをやめることができないのにはある理由があります。 それは先輩にギー太をとられてしまったからです。 りっちゃん。 お願い。 私の大学の音楽準備室にあるギー太を 取り返して・・・・・・。 私はもうりっちゃんしか信じられないから、絶対に一人で来てね。 唯より』 律「唯・・・・・・・」 律の胸の中が熱くなっていた。 唯が私だけを頼ってくれている・・・。 一度裏切った私をまた信じてくれている。 律の心の中は感動と喜びに満ちていた。 もう裏切らない・・・・・! 律はそのままの恰好で傘も差さず家を飛び出した。 律が家を飛び出す様子を電柱の影から傘を差しながら、 見ている人影があった。 背中には大きな荷物を抱えている。 その人――――――――唯は口元に笑みを浮かべながら小さくこぼした。 「りっちゃん・・・・バカだなぁ・・・・」 そういうと唯はギー太を連れて、急いで大学に向かった。 空の色は唯の心の色を表すかのように黒くにごっていた。 律が唯の大学に着いたのはそれからしばらくしてだった。 そこにいた律はずぶぬれで、服にはたくさんの泥が跳ねていた。 前髪を止めていたカチューシャもどこかで落ちたらしく、 濡れた前髪が顔にかかっていた。 しかし律はそんなこと気にする様子も無く、ふらふらに なりながら校舎の中へ急いだ。 律(唯・・・・唯・・!) 「唯」の一文字で埋められる律の頭に、これが唯の 罠であるということに気づく程の能はまるでなかった。 律は息を切らせながら、音楽準備室に駆け込んだ。 そこには先輩たちのたくさんのギターケースに入れられたギターが 並んでいた。 だがそんなこと、律には構っていられなかった。 律「ギー太はどれだ・・・・どれだ・・・ 唯・・・・・唯!!」 律は並べてあるギターケースを片っ端から開けていった。 律は唯に関するこの一連の出来事を通して、誰よりも 責任を感じていた。 メールを無視した件では、実は一番最初にメールが来ていたのは律だった。 さらに、楽器屋での唯への軽率な発言。 これらは律へと重くのしかかっていた。 そんな必死な思いで律はギターケースを狂ったようにあさる。 数分後には律の周りにはギターとギターケースの山が散乱していた。 すると不意に、 女B「ちょっとあんた! なにしてんのよ!」 背後からとがった女の声がした。 どうやら女はこの日の音楽準備室の見回り番の軽音 サークルの部員であるらしい。 しかし律はそんな女の声に耳を貸すことも無く、 ひたすらあるはずの無いギー太を探す。 律「唯・・・・・唯・・」 ゴツン! 不意に音楽準備室に鈍い音が響く。 それと同時に律は床に伏せるように倒れこんだ。 女B「あんた、何? 狂ったみたいな形相でなにしてたの?」 右手に一部がへこんだ鉄パイプを持った女が律を問い詰める。 まわりにはその女が呼んだのであろう男女も数名いた。 女B「あんた、何? 狂ったみたいな形相でなにしてたの?」 右手に一部がへこんだ鉄パイプを持った女が律を問い詰める。 まわりにはその女が呼んだのであろう男女も数名いた。 律「・・・・・・」 律は決して口を割ろうとはしなかった。 ここでギー太奪還計画が軽音サークルの連中に ばれるとまた迷惑がかかると思ったから。 すると、頭から出血する律に、その中の一人の男が冷淡に言った。 男D「きみがそういう態度とるなら、こっちもやめないよ♪ まずは・・・お腹からだネ^^」 そうすると、男女数人は律の腹を集中的に蹴り始めた。 ドスッ ドスッ 鈍く痛々しい音が音楽室に響く。 それを音楽準備室の入り口から、誰かがこっそりとのぞいていた。 ?「ふふっ・・・やられてる、やられてる」 1、2分後、ここ何日かはろくに食べていないお陰で吐きはしなかった ものの、律の意識は朦朧としていた。 律「も、もう・・やめて・・・・うぅ・・」グスン 律は泣きながらすがるように一人の男の足につかむ。 男D「・・・泣いてる姿すげぇかわいいよ^^ でも、無理なんだ・・・よっ!」 男はとどめを差すように律の腹に蹴りを入れる。 律「がっ・・・・」 律は一気に再び地面に伏すように倒れこんだ。 律が朦朧とする意識の中で、その目線の先に一人の小柄な少女を見つけた。 少女はさっきまで音楽準備室の入り口でこの一連の動きを 見ていたが、律と目が合うと、律の近くまで寄ってきた。 その少女――――――唯は笑みを浮かべながら、律を見下していた。 唯の姿を確認した途端に律は意識を完全に取り戻した。 律「唯っ・・・助けてくれ!」グスン 律はすっかり自分と唯との関わりを無いものにするということを 忘れ、今度は唯にすがるように助けを求めた。 女B「え? あんたの知り合いだったのこいつ?」 女は唯に怒りの眼差しを向ける。 すると唯は特に女の視線を意識することも無く、憮然として答えた。 唯「こんなやつ知りません・・・。 誰ですか?」 律 ・・・・・・え? 律は唯が出した答えに驚きを隠すことはできなかった。 さっきは自分しか信じられないって言ったのになんで・・・・・ あれは嘘だったの・・・・? 律がしばし唖然としていると、前から女が律の髪をつかむと言った。 女B「そういうことだからさぁ、うちの奴隷ちゃんあんまいじめないで くれるかな・・? 壊れたら遊べなくなっちゃうでしょ?」 女はそう言うと乱暴に律の髪を離し、顔を地面にたたきつけた。 べチャ 律「うぅ・・・・もぅ・・やめてよぉおぉ」グスン 律はとうとう泣き出してしまった。 唯(りっちゃん、もっと泣いてよ・・・。 これは私の 復讐 なんだから・・・。) 唯が笑みを浮かべながらわざとらしく言う。 唯「あ~あ、泣いちゃったよ!・・・・。 仕方ない。 次はこれで遊ぶか・・・。」 すると、唯は服の胸ポケットから薬ビンのようなものを取り出すと、 栓を勢いよく抜いて、中の液体を一気に律の上に垂らした。 ジュワーーーーーーーーーー! 律の上に落ちた液体はぶくぶくと泡と立てながら、 律のTシャツを焼き尽くす。 律「きゃあぁぁ!! 熱いっ!・・・・・熱いよぉ!!」グスン たちまち律のTシャツの腹からすそにかけての部分は 焼けてしまい、律の腹が露出する。 ただ幸いにも硫酸が皮膚にまで達することは無かった。 それまでは、やってしまえというムードだった先輩男女も 硫酸の登場に一瞬にして青ざめた。 狂ったように泣き叫ぶ律と凍りつく先輩たちを横目に、 唯は反省するように言う。 唯「ちょっと垂らしすぎちゃったなぁ・・・・、 もっとじわじわやんないとね^^」 唯はそう言うと量に気をつけながら、また一滴硫酸を垂らす。 律「いやぁぁぁぁ!!」 また一滴 また一滴 硫酸を加えるごとに律が度を増して苦しむ様を唯はじっと見ていた。 いつも明るくて元気でムードメーカーのりっちゃん。 そんなりっちゃんをこんな姿にすることができたということは 私の復讐はおそらく成功したのだろう。 でもどうしてだろう、私の心の中の何かは全く満たされない。 なんで・・・・ 唯がそんなことを考えるうちに、なんとか正気に戻った律が 息を切らせながら低い声でたずねる。 律「はぁ・・・はぁ・・なぁ唯・・ギー太はどうしたんだ?」 唯「・・・・まだ、そんなこと言ってるの? アレは嘘にきまってるじゃん!」 唯はそういうと嬉しそうに背中のギー太を下ろして、 律に見せびらかした。 さぁ、りっちゃん 私にその落胆する表情、もっと見せてよ・・・ 律「・・・・・そうかぁ・・。」 ・・・・・え? 律「仕方ないよな・・・。 私唯に一年もかけてずっとずっとひどいこと ・・・してきたんだもんなぁ。 これくらいされて当然だよな・・・。」 悲しそうに答える律に唯は怒りを覚えた。 なんで律は悔しくないのか。 やっと心を開いてくれた親友に裏切られて、こんな惨めな姿を曝させられて。 唯「ねぇ・・・りっちゃん・・・なんでもっと悔しそうにしないの?」 唯が怒りに声を震わせて言う。 律「私はどうなったって構わないよ・・・・。 だって体の傷は消えるけど、心の傷はずっとそのままだろう・・・」 唯「りっちゃんがもっと悲しんでくれないと、私の復讐の意味が なくなっちゃうの! それじゃあ私がここまでなった意味がないの! 毎日毎日りっちゃんたちのことを思って考えて苦しんできた二年間 の意味が無いの!」 唯「さびしくて、さびしくて仕方なかった毎日に落とし前がつかないの!!」 唯は怒りに身を任せるように、律に再び硫酸をかけた。 ジュウウウウウウッ! 律の上着の肩の辺りが痛々しい音を立てる。 律「・・・・・ふうぅぅぅぅぅ。」 律は目に涙を浮かべながら、痛みをこらえるために大きく息を吐いた。 ここでまた悲痛の表情を見せたら、唯がまたさらに変わってしまうから、 ここまでで抑えておくのが自分の役目だと律は悟った。 律は息を切らせながら、唯の足に掴みかかると言った。 律「なぁ・・・・唯・・お前は怒っているかもしれないけど、 私たちは・・・ずっと・・・ずっと唯のこと待ってるからな・・・・ さっきさ・・・・お前言ったろ・・ずっと・・・私たちのこと 考えて・・・・寂しかったって・・。 お前の本当の・・・気持ち聞けて・・・嬉しかったよ。」 律の表情はこんな状況にも関わらず、うっすら笑顔を浮かべていった。 唯「もうやめて! 私を・・・苦しめないで!」 なんで自分がこんなことまでしているのに、律はいつまでも 自分を信じていられるのか・・・・。 どうしてもっと悔しがらないのか、笑顔でいられるのか・・・。 唯はとっさに近くにあった先輩の鉄パイプをボロボロになった 律の顔の前に突きつけた。 唯「りっちゃん・・・最後に言いたいことはある?」 唯はすぐに律を目の前から消さないと、自分が崩壊してしまいそうに なっていた。 すると、 律「・・・・唯・・・大好きっ♪」 そこにあったのは、震えながら満面の笑みを浮かべる律の姿だった。 全身が恐ろしいほどに震えて、涙まで溜めて、硫酸でぼろぼろにされて・・・ 自分に裏切られたのにどうして・・・・ どうして笑顔でいられるの・・・・ ズキッ! すると突然唯の頭にひどい激痛が走った。 唯「う・・・あぁ・・」 唯は持っていた棒を地面に落とすと、地面に膝をついて、頭を抱えた。 唯「うう・・・・痛い・・・」 割れそうなほどに痛む唯の頭の中に、どこからか声がする。 『その人を傷つけてはいけない・・・・、その人は自分を変えてくれる 大切な人だから・・・!』 その声は意識のレベルでは無く、唯の潜在的なところから呼びかける自分の声だった。 唯「うぅ・・・・・・」 やめて! やめて、私は正しいことをしてるの! 復讐して満たされない心を満たすの! どうして・・・・ 唯がそう思ったとき、唯の目の前は真っ暗となり、 意識を失い、地面に伏した。 ドサッ 律は唯が倒れたことを確認すると、眠るように気を失った。 6